2018 Fiscal Year Annual Research Report
Curriculum development on vertical sequence of mathematics based on model-oriented approach
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26350188
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
池田 敏和 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70212777)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モデル / 図形 |
Outline of Annual Research Achievements |
小中高等学校の図形領域において,複数の世界の行き来が促進される局面について考察した。そして,図形の探究が深化していく局面として、下記の九つを同定した。第1の局面:ものの形を仲間分けする活動,第2の局面:図形を写し取る活動,第3の局面:図形の性質の相互関係,並びに,図形の成立条件を考察する活動,第4の局面:図形の決定条件をもとに構成要素どうしの数量関係を探る活動,第5の局面:図形の具体的操作から論証への活動,第6の局面:ものの位置を記号的表現で伝える活動,第7の局面:座標平面上で初等幾何を考察する活動,第8の局面:移動・変換の記号(数式)的操作を開発する活動,第9の局面:初等幾何における命題を体系化する活動。 上記の九つの局面において,図形の実体的対象(目に見えるもの)に関わる同値関係の考察と,図形の操作的存在(目に見えないもの)に関わる操作・変換の考察は,互いに影響を与えながら図形領域における数学的知識を成長させていくことになる。そして,各々の局面で新たな数学的知識が開発された後は,それらを利用する活動が奨励されることになる。複数の世界を行き来することにより,当面した問題の構造の理解が深まるとともに,当面した問題を対比の対象としてのモデルとして取り扱うことにより,複数の世界における数学的知識の同異が議論される.「モデルとして利用する」と「モデルをもとに作る」の二つの目的を有機的に関連付けながら考察することにより,数学的知識が持続的に成長していくことになる。
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Research Products
(2 results)