2014 Fiscal Year Research-status Report
作図ツールを中心としたタブレット端末用数学ソフトの開発と授業実践に関する研究
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26350192
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
飯島 康之 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30202815)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 数学教育 / 科学教育 / テクノロジー / 作図ツール / ソフト開発 / 問題解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
主として次の4種類に関して成果を得た。 (1) ソフト開発に関しては, GC/html5の機能の改良を次の点を中心に行うことができた。a) 条件を満たす点の集合の描画, b) 測定値の表・グラフへの表示, c) 他のソフト(Excel, Graph-R)でさらなる探究を行うためのファイルのエスクポート, d)オフラインでの図形ファイルの保存や読み込み。これによって, GC/Winにおいて実装していた(イベント機能などを除く)ほとんどの機能を実装することができ, HTML5 + JavaScriptの手法によってGC/Win程度の数学用ツールソフトであれば, 実装することを示すことができた。同時にこのことは, HTMLファイルは静的なファイルとしての側面の他に, windowsアプリケーションのような動的な側面も有していることを具体例で示すことができた。 (2) 作図ツールを利用した研究授業の分析に関して, 3つの種類の授業(グループ活動の中での5分間程度の利用, 操作と話し合い活動を重視した実践, 2時間構成での探究的な授業)の特徴に関して明らかにした。 (3) 作図ツールを利用した研究授業を, 愛知教育大学附属名古屋中学校, 岡崎市立葵中学校, 熊本県玉名市玉南中学校, 佐賀県大町町立大町中学校, 埼玉県立熊谷西高校などで実施した。 (4) HTML5 + JavaScriptによる数学用ソフトの開発のためのノウハウをまとめるサイトをつくり, これまでの準備的な知見をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GC/html5に関する開発は, GC/Winとほぼ同じ機能を実装したことによって, 一つの段階に到達できたといえる。これを踏まえて, 複数の学習形態に対応するための作業に進むことができる。 また, 研究授業は, 上記の4校には参加し, 研究協議を行ったが, それ以外にも, 5校以上で研究授業や日常的な授業の中での利用をすることができ, 実践を蓄積している。 ソフト開発のノウハウを蓄積するサイトを開設できたので, 今後充実をはかっていくことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず, 複数の学習形態に対応したコンテンツ提供のあり方やソフト開発のあり方を明確にし, それを実装していくことがソフト開発の基本になる。 それに対応した教材開発・コンテンツ開発を行うとともに,研究授業によって検証していく。 また, 特にソフト開発のノウハウは,サイトの上で充実させていくことを予定している。
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Causes of Carryover |
研究授業および協議会の実施が2/23になり, そのデータ整理の作業が遅延し, 3月末までに行えなかったため, 4月以降も継続することになった。またその作業用の経費が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ整理の作業を4月以降に実施するため, その経費として使用する予定である。なお, それを含めて,平成27年度では, 次のような項目に関して予算を使用する計画である。 (1) コンテンツ開発をするためのソフトや機器(主として授業ビデオを収録するためのハードディスク類),(2) 研究授業を国内数カ所で実施し, 共同研究者に参加していただくための旅費と学会発表(日本数学教育学会, 日本科学教育学会等)のための旅費,(3) 研究授業や協議会の実施やデータ整理に関する謝金等,(4) 授業DVD等を共同研究者に送るための郵送費等
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