2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350195
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前原 俊信 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50190319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 貴士 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40451679)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 物理教材 / 実験教材 / タブレット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,タブレット端末を中等教育における物理実験の補助具として利用する教育的に有効な実験教材・教具を開発している。 初年度は,拡張現実を利用した磁場測定教材をWindowsタブレットで利用できるようにした。これまでは拡張現実のためのカメラとしてUSBカメラを用いていたが,タブレットの背面カメラを利用するように修正し,利用者の視線と同じ向きで使えるようにして活用しやすくした。また,磁場センサのモジュールとタブレットとの接続を無線化してタブレット側の補助機器をできるだけ簡易なものとして,利用者の便宜を図った。これを日本理科教育学会において報告して専門家の意見を聴取し,また,高等学校の授業においても演示を試行して教員・生徒の意見を聴取した。棒磁石の周りの磁力線を表示してある方がよいとの助言に従い,拡張現実を用いた電磁誘導教材で使っていたプログラムを移植して,磁場測定教材でも棒磁石の周りの磁力線を表示できるようにした。 タブレットへの移植には,ゲームエンジンであるUnityを利用するのが有利であるため,その開発に慣れるため,まず,測定教材ではないが,Unityを用いた電気回路実験シミュレータ教材をWindowsタブレット用に開発した。電池と豆電球を接続する電気回路の実験をシミュレートし,電池だけでなく豆電球の直列接続・並列接続など,任意の回路における電流の値を計算して豆電球の明るさや配線ごとの電流の強さを示すことができるようにした。小学校で生徒に使用させて改良のための意見を聴取した。 Androidタブレットを用いた測定教材については,RS232C出力を持ったテスターを接続する方向で検討を行っている。その他の物理測定教材としても,直線運動の測定や音の干渉教材について開発を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電磁気に関する拡張現実教材のWindowsタブレット利用が可能になり,機材を整備すれば生徒実験に使えるところまで進んだ。また,当初予定していなかった電気回路実験シミュレータ教材も開発でき,児童に使わせて意見を聴取するところまで進んだ。Androidタブレットで利用する教材の開発について時間がかかることは織り込み済みであり,その他の物理教材についても開発に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
電磁気に関する拡張現実教材については,Windowsタブレットと測定器具を10班分程度準備して,生徒実験を試行する。 Androidタブレットでの利用については,引き続きテスターを利用する方向で検討を続ける。 音の干渉の測定教材については,タブレットを持つ利用者の影響を小さくする工夫が必要であり,引き続き検討する。
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Causes of Carryover |
タブレットに接続する測定装置を開発するための電子部品の経費が予定より小額だったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
測定装置の開発経費に組込んで使用する。
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Research Products
(4 results)