2014 Fiscal Year Research-status Report
全天観測カメラを用いた火山と気象の教材「桜島と雲」を活用したモジュールの探究
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26350196
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
土田 理 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (10217325)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学教育 / 初中等教育 / 火山 / 気象 / 防災 / 全天画像カメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)東西南北全方位全天に渡って桜島の噴煙移流,雲の移動を記録している全方位定点観測カメラシステムの記録画像解析と利用可能画像の抽出:平成25年2月から運用を開始している全方位定点観測カメラシステムで記録された,平成26年1月から平成26年12月までの画像から,桜島噴煙と雲の移流を捉えた画像の抽出を肉眼識別分析を基に行った。抽出の自動化を目指しているが,雲移流と噴煙移流が重なったときのイメージ分離が困難であるため,現時点では自動化は実現していない。 2)全方位定点観測カメラの記録映像と気象基礎データを配信するweb型データベースの試作:ファイルメーカー・サーバを基盤に,タブレット型コンピュータで噴煙の様子を確認しながらグループでの話合い結果を記入することが出来るデーターベースの試作を行った。これによって,授業で10グループまで同時に接続しながら,噴火イベントカレンダーから動画を選び,確認することが可能となった。 3)海外の火山防災教育プログラムの現地調査:イタリアの防災教育プログラムEDURISKの前年度現地調査分析を行った。またそれを基にして,ギリシャのクレタ大学自然史博物館が中心となって行っている初等学校向け防災教育プログラムRACCEについて,現地調査を行い,幼稚園と小学校での授業実践を視察,現地教員,大学教授と意見交換を行った。本研究で目指している桜島と雲のモジュールに防災教育の観点を加える指針を得ることが出来た。 4)小学校児童の桜島に関する意識調査の試行:本学部附属小学校の3年生から6年生240名に対して,桜島に関する意識調査の試行を行った。その結果,学年を問わず多くの児童が桜島の噴火を気にしているものの,その事に関して興味関心を持続させている児童は多くないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
達成が出来なかった事項(解析の自動化)はあるものの,その他の全てを当初計画の通りに平成26年度は達成することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,全方位定点観測カメラの記録映像と気象基礎データを配信するデータベースを活用した授業を,小学校または中学校理科授業において試行する計画である。このために,当初平成28年度に購入予定であったタブレット端末を10班分購入して,試行環境を整える計画である。また,児童・生徒の桜島に関する意識調査については,被験者数を増やし,質問紙も改良して,モジュール作成の基礎データとする。さらに,RACCEプロジェクトに加わっているブルガリア,イタリアにおける防災教育プログラムの現地視察を行う予定である。 平成28年度は,平成26年度,27年度成果を基に気象教材「桜島と雲」の改良と小学校,中学校理科授業モジュール開発を進める計画である。 平成27年度,28年度ともに,年度内においては日本科学教育学会,日本理科教育学会において成果報告を行う予定である。さらに平成28年度までの成果は,ISPRS Commission VI Symposiumで報告と情報収集を行う計画である。
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Causes of Carryover |
謝金等の未使用金が残金として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度予算に組み入れて使用する予定
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