2015 Fiscal Year Research-status Report
中学校・高等学校数学科における活性化教材の開発と授業研究による実証的研究
Project/Area Number |
26350198
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
牧下 英世 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (80631580)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 教材開発 / 和算 / 図形描画 / 授業研究 / ICTの利活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 教材開発として,27年度には,研究協力者とともに9回の研究集会を行った。その際に研究協力者が所属学校における教材研究から得られた成果について検討を行うことができた。 (2) 授業研究として,芝浦工業大学の併設校である板橋地区中学校高等学校で1回,柏地区中学校高等学校で2回,東京都公立中学校で1回,筑波大学附属駒場中学校・高等学校で1回,計5回の授業研究会を実施することができた。なお、授業研究会では芝浦工業大学等の教職学生(将来数学教員を目指す学生)も参観することができた。教職学生のために,授業のデジタル教材化,学習指導案や資料の印刷教材化として,KETCindyとLaTeXによるシステムによって検討することができた。また,学生の模擬授業についての成果を論文にまとめて芝浦工業大学研究報告によって公開することができた。 (3) 授業研究会,研究集会で,ICTの利活用の観点での話題が多くなってきた。そのため,中学高校の数学教員とタブレットPCや電子黒板を使った授業研究のあり方について,研究集会で検討することができた。上記の授業研究においてタブレットPCを利用した授業研究が実施できた。この研究会を通じて反転授業のあり方についても検討できた。 (4) 数学史の利活用として,数学史を教材として利活用するための教材集『和算の基本問題と解法』を作成し,科研費により印刷製本することができた。 (5) 研究成果の公開として,27年度末までに,教材開発,授業研究,ICTの利活用,数学史の利活用などの研究発表ができた。年度末の研究集会では,研究協力者から10本の口頭発表がなされた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 図形描画のシステムを活用できるようになった。そのため,学会発表,成果公開がスムーズに行えるようになった。図形描画のシステムを得られたことで,和算教材の教材開発が進み,『和算の基本問題とその解法(第二版)』を作成することができた。 (2) 授業研究会を年間に5回開くことができた。(6月13日(土)芝浦工業大学柏中学高等学校,1月27日(土)板橋区立高島第二中学校,1月29日(土)芝浦工業大学中学高等学校,2月15日(土),芝浦工業大学柏中学高等学校,筑波大学附属駒場中学校高等学校)研究協力者,教職学生の多くの参加を得られた。 (3) 研究報告会を開くことができた。3月26日(土)10:00~20:00,芝浦工業大学大宮校舎4号館にて,研究集会,成果報告・成果共有会を実施することができた。 (3) ICTを活用した教材開発について,研究協力者の所属学校での取り組みもあり,ICTの利活用について,機器の種類,ソフトウエアの種類,使用方法,授業形態など教職課程の模擬授業評価の研究が進んだ。KETCindyについて,ほぼ平面図形,関数グラフについてはほぼ,開発が完了した。本成果によって,『和算の基本問題と解法』(第二版)を作成することができた。 (4) 日本数学教育学会,日本科学教育学会,東京理科大学数学教育研究会,京都大学数理解析研究所,ATCMにおいて,研究成果を公開するとともに,発表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1) 平成28年度も引き続き,中高の教材開発,和算,ICTの利活用を授業研究の観点から実践的な取り組みを進める。また,ICME13での発表の機会に27年度に公開した内容を英文化して現地(ドイツ)にて成果を公開する予定である。本年は,27年の継続として,中高の教材開発のためのICTの利活用を焦点化した取り組みを推進する。 (2) (1) で作成した教材をもとに,中学校,高等学校の学校現場を中心とした授業研究についての実践を推進する。さらに授業後の研究競技では,授業での発問の仕方など,今後の検討をしなければならないアクティブラーニングを活性化する方法について多くの示唆が得られた。28年度への課題としたい。 (3) 26年度,27年度の研究成果を公開するために学会発表,研究会発表を推進する。とくに,日数教,都数研,日本数学史学会,ATCM(Asian Technology Conference in Mathematics),日本科学教育学会,京都大学数理解析研究所講究録,東京理科大学数学教育研究会誌など国内外で研究および成果の発表を推進する。現在,ICME13(ドイツ,28年7月)における国際学会でも査読論文が採択され,発表予定である。 (4) とくに,成果物を発行し他での検証を行うとともに各方面からの知見を仰いでいきたい。 (5) 来年度(29年度)最終年を見通し,本科研での研究成果をまとめていくとともに,本科研の後続の研究課題等についての構想を図っていく。
|
Causes of Carryover |
所属法人より,国際学会,国際研究打ち合わせのための旅費を補助していただいたため,残額がやや発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
(1) 28年度の国際学会(ICME13)での研究開発教材の印刷費,製本費用として活用させていただく。 (2) 数学教育教材,和算教育教材のためのインタビューや師範授業,研究協力者への謝金として活用させていただく。
|
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] KETpic による作図プログラミング書法の確立2015
Author(s)
山下 哲 , 北原 清志 , 前田 善文 [他] , 碓氷 久 , 阿原 一志 , 牧下 英世 , 高遠 節夫
-
Journal Title
数学ソフトウェアとその効果的教育利用に関する研究 Study of Mathematical Software and Its Effective Use for Mathematics Education RIMS 研究集会報告集
Volume: 1978
Pages: 200, 208
DOI
Acknowledgement Compliant
-
-
-
[Presentation] 数学教育委員会2015
Author(s)
牧下 英世
Organizer
東京理科大学数学教育研究会
Place of Presentation
東京理科大学
Year and Date
2015-10-03 – 2015-10-03
Int'l Joint Research
-
[Presentation] KETpic による作図プログラミング書法の確立2015
Author(s)
山下 哲 , 北原 清志 , 前田 善文 [他] , 碓氷 久 , 阿原 一志 , 牧下 英世 , 高遠 節夫
Organizer
数学ソフトウェアとその効果的教育利用に関する研究
Place of Presentation
京都大学数理解析研究所
Year and Date
2015-08-31 – 2015-09-02
Int'l Joint Research
-
-
-
-