2014 Fiscal Year Research-status Report
共通化授業アンケート成果を踏まえた技術者倫理及び関連科目の教育品質向上研究
Project/Area Number |
26350200
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
大来 雄二 金沢工業大学, 科学技術応用倫理研究所, 客員教授 (40594180)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安居 光國 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40200498)
下村 直行 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (90226283)
清水 一男 静岡大学, イノベーション社会連携推進機構, 准教授 (90282681)
大場 恭子 東京工業大学, グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院, 特任准教授 (20367452)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 技術者倫理 / 教育工学 / 教育評価 / 科学技術と社会 / 工学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)先行研究(23501028)での実施内容の継承発展 先行研究で開発し、実施してきた共通化授業アンケート(32問)を、研究者分担を含む協力者と共に、継続して実施した。アンケート結果を研究代表者の元に集約し、全国平均値を算出するとともに、個別結果と全国平均との比較を行い、協力者の授業に特徴的な事項を抽出し、協力者にフィードバックした。自分のクラスの特徴を一目で概観できる「5軸分析図」を開発し、そのデータも協力者にフィードバックした。先行研究機関とH26年度を通して実施して得られた知見を集約し、研究者会合(H26.12.13)で検討するとともに、電気学会教育フロンティア研究会で報告した(H26.12.14、研究会資料FIE-14-34)。 (2)顕在化した新たな研究課題への取組み 前項の共通化授業アンケート(旧アンケートと称する)を実施した結果として浮かび上がってきた課題はいくつかあるが、それらの中でアンケート自体の設問内容の妥当性検討と、アンケート実施方法の容易化の課題に、H26年度は集中的に取り組んだ。旧アンケートは先行研究の研究体制内で関係者の協力のもとに開発したとの意味で共通性は高いが、日本工学教育協会技術者倫理調査研究委員会がH25に「技術者倫理教育における学習・教育目標」を公表したので、それとの整合性を図りつつ、設問数の削減を図ることにした。その結果として、設問内容をかなり見直し、かつ設問数を22問に削減した新アンケートを開発した。また、紙のアンケート設問票で実施した旧アンケートに対し、紙に加えてウェブ上でスマートフォン(スマホ)やタブレット端末でのアンケート回答も可能にするシステム開発を行った。その内容を研究者会合で確認するとともに、研究体制内外で試行確認を行い、H27年度から新アンケートに切り替えることにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の成果を継承し、結果を集約して、公表することができた。 先行研究で顕在化した課題と、外部で策定された技術者倫理学習・教育目標を生かした新アンケート(内容および実施方法)を開発できた。 しかし、当初H26年度に予定したウェブサイトの抜本的改善は、部分的改善にとどまり、本格作業はH27年度に繰り越された。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究実施計画を継承発展させること、それが第一のポイントである。新アンケートへのスムーズな切替、アンケート適用校の拡大、アンケート結果の分析の深化を、特に重視する。標準的な教育教材の共有化を図ることも重視する。国内の大学等の参加だけでなく、海外からの研究への参加の可能性を探るため、国際学会での発表も計画する。 第二のポイントは、技術者倫理科目と関連科目との関係性の研究の実施である。技術者倫理の英語表現は、engineering ethicsである。もし、大学等における教育の重点の一つが、グローバルに活躍しえる技術者への門戸を学生に開こうとするものならば、engineeringとは何か、ethicsとは何かについての基礎的な理解を踏まえつつ、技術者倫理教育は実践されるべきであろう。ところが、実態はどうか。電気工学や機械工学の教育には十分な時間が配分されていても、「工学」の教育は不十分ではないか。工学技術は本来は強い社会性を持っている。しかし現行の工学教育の中で、必ずしもこの点が重視されているとはいえないのではないか。それは学生の将来を考えるとき、憂慮すべきことである。彼らは社会人となり、技術を実践し、時に法律問題、経営問題も扱うことになる。また大学等の研究機関に属し、研究倫理、研究室経営を実践してゆくことになる。技術者倫理科目と関連科目との関係性を研究し、それぞれの科目の役割分担を明確化できるならば、工学教育全体の効果、効率を向上できる。この研究が、第二のポイントである。
|
Causes of Carryover |
研究分担者に配分した旅費予算のうち、1回分が研究会合打ち合わせに出席できなかったために、次年度使用額として残った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、研究打ち合わせ、相互授業参観等で使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)