2014 Fiscal Year Research-status Report
永久磁石利用により組立調整可能でメンテナンスフリーな小型核磁気共鳴吸収装置の開発
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26350208
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
貝原 巳樹雄 一関工業高等専門学校, 教授 (20290687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川谷 亮治 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30169734)
飯島 洋祐 小山工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (90565441)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 永久磁石 / メインテナンスフリー / NMR / ネオジウム磁石 / 高周波発振回路 / 高周波増幅回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
NMR は、高価(数千万円から 1 億円超)で、超電導磁石の維持費として年間 150~200 万円超の予算が必要である。 本研究では、メインテナンスフリーの永久磁石を用いた小型のNMRを開発する。自分で組み立て調整できるNMRキットとして、量子化学や電気回路など、多方面の知識を統合して作られているNMR の仕組みや構造についての理解を得させることも目的である。 H26年度は磁界強度が5000ガウス前後,プロトンの共鳴周波数で21MHz前後におい て動作する試験システムを設計製作した。静磁場形成用のネオジウム磁石(現在、極直径20mm×厚さ10mm)は万力の両頭に取り付けた。万力を応用することにより、簡易に、磁 束漏れのない磁気回路を形成することができた。高周波発振回路では、PLL-VCO方式を採用しており、10進数のサムホイールスイッチで容易に発振周波数が設定でき、且つ極めて発振周波数が安定しており、変動は±1Hz以下である。 高周波発振回路基板、パルス高周波形成回路基板、高周波増幅回路基板と磁石の間に納める試料用保持器を試作した。磁場中央、上下の励起コイルと検出コイルはバイファイラ巻きとしており、試験動作として可変の パルス幅を約20μs、可変のパルス周期を約5ms(200Hz)に設定した時、検出コイルが、励起コイルとほぼ同じ電圧波形を出力して いることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点で、永久磁石の磁気回路(磁場強度、1.4テスラ)が完成出来ていない(H27年7月頃完成予定)。しかし、高周波発振回路は試作済で、高周波発振回路の周波数精度は±1Hz程度以下のレベルを達成できている。また、パルス高周波形成回路と高周波増幅回路も試作済。
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Strategy for Future Research Activity |
CW-NMRについては、既存の簡易型CW-NMRを購入し、その磁場回路、電子回路をよく学習する((株)エコー電子製)。この装置はシフト値(ppm)とその信号強度のNMRチャートは測定できないが、本計画の推進において参考となる装置である。本プロジェクトでは、1.4テスラの均一磁場を10mm空隙の中に生成させる。よって、プロトンの共鳴周波数として、60MHzを見込んでいる。FT-NMRについては高周波発振回路、パルス高周波形成回路、高周波増幅回路も試作済である。乗算器を用いた周波数変換回路とLPFにより高周波FID信号をラジオ波周波数に変換し、その後、AD変換器で信号検出する方式を採用する予定で、ボックスカーインテグレーターは使わない予定。AD変換器から得られるデジタルデータをグラフィック電卓で取り込み、データの描画、積算、各種の演算処理を行い、NMRチャートを表示する予定である。
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Causes of Carryover |
磁気回路の製作が、予想以上に高額となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度に磁気回路(磁場強度1.4T)を購入予定。
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