2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350239
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
濱田 栄作 琉球大学, 教育学部, 准教授 (20413718)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線 / 紫外線 |
Outline of Annual Research Achievements |
紫外線と放射線は生活に多大な利益をもたらしている。一方で,沖縄の紫外線量は高く,健康への影響も危惧されている。また,放射線についても,頻繁に寄港する原子力潜水艦や近隣国の原子力施設で事故が起これば,その影響は無視できない。本研究では,義務教育課程理科では扱われない紫外線と現行の学習指導要領から登場した放射線の共通性に着目した学習教材及び教員が効果的に利用できる学習支援システムの開発を目指す。 初年度は,沖縄本島,久米島,栗間島・池間島,伊江島において環境放射線量率の調査を実施し,教材化のための基本データを収集した。調査地点は,地学分野との連携を念頭に,野外実習に適した露頭等を中心に実施し,県内でも比較的に高線量率値が観測される栗間・池間島では,土壌(大野越粘土)も計測した。 紫外線については,大学生を対象にアンケート調査を行った。紫外線が身体に影響を与えることは広く認知されていたが、放射線や他のリスク項目(農薬,大麻,エイズ等)と比較したときの紫外線の危険意識は低く、知識も十分ではなかった。また,本調査では知識の有無と紫外線に対する意識に関連性は見られなかった。このことから、紫外線等のリスクに対する正しい知識・対策の普及には、知識のみでなく、生活の場でリスクについて意識・体験できるような機会が重要と考える。そこで,紫外線教育用教材として,市販デジタルカメラを用いた紫外線撮影装置の開発を行い,その活用について検討した。開発した紫外線撮影装置を用いて,花とチョウの紫外線撮影を行い,可視光では捉えられない様子を確認できた。さらに,紫外線防止用化粧品の効果検証や放射能分布画像の取得も試み,定性的ではあるが評価できた。普段見ることができない紫外線を可視化する本装置は,紫外線に対する認識や興味・関心を高めることに有効と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
沖縄県内の放射線量率測定,紫外線に関する意識調査,教材開発など,予定通り実施しており,おおむね順調であると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
沖縄県内の環境放射線量率を測定するとともに,放射線に関するアンケート調査を実施し,平成23年度から実施されてきた放射線教育に関する知識の定着について考察する。また,沖縄県の住宅環境と関連が深いラドンに関する意識調査も実施し,アルファ線を含む教材開発について検討する。さらに,可視光から紫外線,放射線まで,電磁波としてのつながりを認識できる分光光度計を用いた教材作りについても検討する。
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Causes of Carryover |
計測した環境放射線量率値のデータベース化について,人件費・謝金を計上していたが,今年度はデータベースのフォーマット作りが必要が有り,研究代表者自らがデータベースを作成したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計測データが増加する次年度にあてる。
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Research Products
(2 results)