2015 Fiscal Year Research-status Report
フィールドスタディから発展する教科横断型“環境教育サマーキャンプ”の開発と実践
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26350242
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
飯島 明宏 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (70391828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田子 博 群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (40391809)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 体験型環境教育 / e-ラーニング型環境教育 / テキストマイニング分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、前年度までに開発した環境教育モジュールをパイロット試験に供し、教育効果を検証しつつプログラムの改良に取り組むことを目的とした。 まず、『河川水質と水辺の生物多様性』の評価を目的としたフィールドスタディ型モジュールを、延べ約100人の小学生児童(4~6年生)に対して試行した。このモジュールよる教育の到達点は、①河川の上流と下流における水生生物の分布の違いを調査により実証できるようになること、②その分布の違いから水質の変化を捉えることができるようになること、の2点である。 実施後に児童らが書いた絵日記をテキストマイニング分析した結果、「上流」または「下流」という位置を表す語と、それぞれの地点で確認された生物種名の間に対応関係が認められた。また、水質を示す「きれいな水に住む」、「ややきれいな水に住む」といった語がそれぞれの生物種と共起関係にあったことから、児童らが水生生物の分布の変化と水質の変化の関連性を理解した様子を捉えることができた。 次に、『水と私たち(仮称)』と題した全16単元からなるe-ラーニング型モジュールを開発し、その一部についてインターネットを介してモニター試験に供した。このモジュールによる教育の到達点は、①地球システムにおける「水の機能」を理解すること、②社会システムにおける水の資源としての側面を理解すること、の2点である。 モニターからは、e-ラーニング方式での学習意欲を高める工夫の必要性や無理のない履修プログラムの作成についてフィードバックを得た。それらを参考に、ワークシートやハンドブックなどの補助教材を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って、予定していた環境教育モジュールの開発をおおむね完了することができた。特に、フィールドスタディ型のモジュールについては、期待していたとおりの教育効果を発揮することを確認でき、最終年度に予定している環境教育サマーキャンプの実践において、主要なプログラムに位置づけることが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発してきた複数の環境教育モジュールを組み合わせ、環境教育サマーキャンプのプログラムを構築する。また、小学生モニターを募り、神流川水辺の楽校を拠点としたサマーキャンプを実践する。参与観察、インフォーマルインタビュー、アンケート、テスト等の実施により、定性的、定量的に教育効果を測定する。また、実行段階での諸問題(受入体制、指導体制、安全管理体制、荒天時対応、個人情報保護等)を検討するとともに、学生ボランティアによる指導実践レポートから指導マニュアルを改良し、指導者養成プログラムの構築を行う。サマーキャンプを通じた新しい環境教育カリキュラムの効果を実証し、実践モデルの提案を目指す。
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Causes of Carryover |
消耗品の支出が予定よりも安価であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品調達、旅費等に充当したい。
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