2014 Fiscal Year Research-status Report
多様な学習者と教育目標に対応可能なレポート執筆指南の評価ルーブリック構築
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26350243
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
池田 隆介 北九州市立大学, 基盤教育センターひびきの分室, 教授 (60347672)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アカデミック・ジャパニーズ / 文章表現教育 / 評価 / 論文の書き方 / 引用 / 動機づけ / 工学系学部生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研プロジェクトの目的は、日本語アカデミック文書を学生自身が適切に評価するための指標を提示することにある。2014年度はそのための基礎研究として、工学系学部生の日本語アカデミック文書作成の実態のための資料収集、および、調査を実施した。なかでも、レポートや論文の質に大きな影響をあたる「引用」の実態に焦点を当て、工学系学部生の実験レポートにおける「引用」事例の収集と分析を集中的に行った。 現在は学部を問わず、大学生を対象にした「レポート・論文の書き方などの文章作法」のための取り組みが多くの大学で実践されるようになっている。その傾向からも分かるように、アカデミック文書執筆指導への社会的ニーズは高まっていると言える。効果的な文章表現指導のためには、学習者の執筆実態の把握が不可欠であり、それは工学系学部生についても同様である。 工学系学部生のアカデミック文書技能の把握に際しては、工学系学部における主要なアカデミック文書執筆活動の内容を分析する必要がある。とりわけ、工学系学部生の日本語書き言葉の習得には「実験レポート」が極めて大きく関与している。そこで、2014年度の本科研プロジェクトにおいては以下の2つのほうほうでその実態調査を進めることにした。 (1)工学系学部生が抱いているアカデミック文書作成に関する疑問 (2)工学系学部生の実験レポート28本を対象とした引用の使用実態 その結果、「本格的なアカデミック文書作成の経験がないため、個々の「疑問」を解決することが論文スキーマの構築とつながりにくい」「文章表現指導の担当者は、工学系学部生への指導を行う際には、アカデミック・ライティングのプロトタイプを拙速に導入するのではなく、現状に配慮した指導法を確立する必要がある」などの示唆をえることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
工学系以外の学部における実態調査の進捗状況が芳しくない。そのため、工学系学部生独自の特徴や傾向を把握するための裏付けが取りにくくなっている。協力者を確保し、サンプルを急ぎ収集する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
工学系以外の学部での調査を行うための協力者の確保をすすめ、工学系学部生に特有のアカデミック文書執筆における課題の傾向を浮き彫りにする。それを手掛かりに、工学系学部生のアカデミック文書執筆に貢献しうる評価基準を構築し、学生でも参照可能なルーブリックとして取りまとめたい。
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Causes of Carryover |
アルバイトを雇用する予定の作業を2015年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究補助のための人件費・謝金に組み込む。
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Research Products
(2 results)