2015 Fiscal Year Research-status Report
実践分析を取り入れた新しい環境教育プログラム評価手法の開発
Project/Area Number |
26350248
|
Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
笠井 利浩 福井工業大学, 環境情報学部, 教授 (60279396)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 史代 福井工業大学, 工学部, 准教授 (20724008)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 環境教育 / ライフサイクル思考 / 小学校 / 中学校 / 緑のカーテン / 雨水活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度に実施した環境教育プログラムをベースに、若干の修正を加えて、2015年度の環境教育プログラムを実施した。2014年度に実施した環境教育プログラムは、我々が2010年度から開発してきた雨水活用装置と緑のカーテンを用いたLCTに基づく環境教育プログラムの概略の完成形である。2015年度は、2014年度に実施した環境教育プログラムに、LCTの内容を含む環境教育授業(7月中旬実施)におけるLCTや批判的思考力を強調する教材の使用(スライド追加)や、その際の説明内容を工夫して実践を行った。また、本環境プログラムに関する作業等に可能な限り5年生児童に参加してもらい、可能な限り小学校関係者のみで環境教育プログラムが実施できる体制が整えられるようにした。2015年度に5年生児童に参加してもらった内容として特に大きなものは、10/23に実施した緑のカーテンの撤去作業である。これまで小学校教員と筆者等の研究室で実施していたが、2015年度は作業の大半を5年生児童と小学校教員で行った。例年通り、実践前、実践中、実践後、フォローの時期に質問紙調査を実施した。効果測定の結果、批判的思考測定質問紙の「反省的な思考」「探究的・合理的な思考」「証拠の重視」で実践後の得点が高く、環境教育の実践後に、児童の批判的思考が向上しているという成果が得られた。2014年度に小学校5年生を対象に行った実践では、効果測定において批判的思考では成果が得られなかった。今年度成果が得られたのは、1)先行研究の結果を受けて、授業実践の中に、LCTや批判的思考力をより強調する教材、発話を組み込んだこと、2)批判的思考を測定する評価尺度を変更したこと、3)授業直後に効果測定を目的とした質問紙調査を実施したことが理由として考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、LCTに基づく環境教育プログラムの開発とその評価手法の開発である。これまでの実践から、ほぼ完成形の緑のカーテンと雨水活用装置を用いたLCTに基づく環境教育プログラムの流れが完成した。また、評価手法としての質問紙調査項目の検討も進んでおり、2年度目の成果としてほぼ満足できる状況となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
環境教育の評価手法としての質問紙項目の精査を行い、より良い質問紙にする。また、最終的なLCTに基づく環境教育プログラムの解説書の作成を目指す。
|
Causes of Carryover |
今回の次年度使用額は、当初予定した学会等の参加に必要な費用(旅費)が見積もり額よりも低かったために発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、本研究の最終年度であるため、研究発表の回数が増える予定である。今回発生した次年度使用額は、そのための旅費、参加費等に使用させて頂きたい。
|