2015 Fiscal Year Research-status Report
児童・生徒の精神的健康向上を目指す予防的メディアリテラシー教育プログラムの開発
Project/Area Number |
26350267
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤川 大祐 千葉大学, 教育学部, 教授 (50288429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 郁子 静岡大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (60586808)
五十嵐 哲也 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (90458141)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メディアリテラシー教育 / 精神的健康 / いじめの芽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は「児童・生徒の精神的健康向上を目指す予防的メディアリテラシー教育プログラムの開発」であり、小中学生の「ネットいじめの芽」に着目して小中学生の対処の状況を調査した上で、状況に対応した教材の開発を行うものである。 スマートフォンの急速な普及と使用年齢の低年齢化に伴い,それに伴う友人関係のトラブル事例も多く報告されている。ネットいじめ防止の取り組みは各地で広がってきているが、本研究では、ネットいじめに発展しそうな「いじめの芽」の状況に注目する。同じ「いじめの芽」状況における異なる学級集団の反応の違いで傍観者の役割・認識がどのように変化するかを検討する。小・中・高校生と幅広い年代の児童・生徒を対象に質問紙調査を行い、これらの知見に基づき、最終的に児童・生徒に有効な予防的教育プログラムを構築することを目指す。平成27年度においては、以下の3点を実施した。 第一に、平成26年度に実施した「ネットいじめの芽」への対処に関する小中学生対象の質問紙調査の結果を論文化し、日本教育工学会論文誌に投稿を行った。ネットいじめの芽の状況に関して、男子より女子のほうが多く経験を報告しており、対処の自信において性差や学校間の差は見られなかったものの、小学生のほうが問題の深刻さを認識していることがわかった。 第二に、平成26年度に実施したアンケートの結果をふまえ、小学生及び中学生を対象に、「ネットいじめの芽」への対処に関する新たな質問紙調査を実施した。この質問紙調査については、現在結果を集計中である。 第三に、ネットいじめを含む青少年のインターネット利用の課題について、特にスマートフォンが普及した平成25年以降の課題を中心に整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた調査の結果の分析が終わり、それを踏まえた新たな調査を行い、現在集計中である。また、スマートフォンが普及して以降の青少年のインターネット利用に関する課題についても整理ができている。予定通り平成28年度にはプログラムの開発まで実施できる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの質問紙調査の結果及び青少年のインターネット利用に関する課題の整理をふまえ、平成28年度は予防的メディアリテラシー教育プログラムの開発を行う。具体的には、「ネットいじめの芽」に着目し、初期段階でネットいじめの発生や深刻化を抑止する方向で児童・生徒が行動できるようになるためのプログラムの開発を行う予定である。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の集計を平成27年度中に実施する予定であったが、集計が平成28年度となってしまったため、質問紙調査集計費用及びこれに対応する人件費の利用がなかった。 また、分担研究者の中に想定以上の業務多忙や体調不良といった事情が生じ、予定した打合せ等が実施できないことがあった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質問紙調査に関しては平成28年度に支出する予定である。残りの額については、プログラム開発に想定より多く費用がかかる可能性があるため、プログラム開発に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)