2014 Fiscal Year Research-status Report
タンジブルインタフェースを用いたダンスのシミュレーション
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26350269
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中村 美奈子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (20345408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝野 耕司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50216024)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タンジブルインタフェース / シミュレーション / 舞踊教育 / インドネシア / 舞踊記譜法 / Labanotation / 身体動作分析 / 3DCG |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は、まず、人型デバイスQUMARION(セルシス社製)を舞踊動作のコンピュータ入力のタンジブルなユーザーインタフェースととらえ、デバイスの検証を行った。舞踊教育への応用を視野に、セルシス社によるユーザーサポートのもと、身体動作のコンピュータへの入力作業を、お茶の水女子大学大学院舞踊・表現行動学コースの大学院生らに行ってもらい、簡単な舞踊動作の3DCGの創作を通して、デバイスの使い勝手についての評価をしてもらった。その結果、肩関節がない(肩甲骨の動きができない)、股関節からウエストにかけての部分の動きがうまく作成できないなど、いくつかのデバイスの構造そのものの問題点が指摘された。 次に、モーションキャプチャ計測により、筆者が長年研究しているインドネシアのバリ舞踊のネイティブ(バリ人)の踊り手と日本人の踊り手のモーションデータを取得し、動作分析を行った。具体的には、モーションアナリシス社の提供するCORTEXのMotion Viewerを用いて、モーションキャプチャデータを可視化してスティックピクチャーの3DCGをコンピュータ画面上に表示して動作のシミュレーション分析を行った。このソフトは、文系の学生にも比較的使いやすく、舞踊教育への応用も可能であると考える。 研究発表に関しては、11月13日-14日にトゥールーズ(フランス)のLAAS-CNRSで開催された国際会議(ワークショップ)Dance Notations and Robot Motionに参加し、共著論文を発表し、舞踊記譜法とロボット工学に関する資料収集を行った。論文では、舞踊記譜法Labanotationによるバレエの記譜を担当した。また、12月20日に神奈川工科大学において開催されたモーションキャプチャシンポジウムにおいて、舞踊研究における文理融合について研究報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セルシス社によるユーザーサポートのもとで舞踊・表現行動学コースの大学院生らに人型デバイスQUMARIONの評価実験を行うことができたことは有益であった。しかし、このデバイスの評価が思ったほどよくなかったため、このデバイスに固執せずに、広く舞踊(研究・教育)のためのタンジブルなインタフェースについての検討を進めていく必要があると考えている。モーションキャプチャ計測とそのデータの舞踊教育への利用に関しても、今後、関連するソフトウエアの検証を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
人型デバイスQUMARIONおよびその他の身体動作入力デバイスに関して、引き続き評価実験を行っていく。 また、モーションキャプチャ関連のソフトウエアを用いた舞踊動作のシミュレーション方法についても、評価を行っていく。また、これらの結果を基に、コンピュータによる舞踊譜(Labanotation)の入力および出力(動画再生)のインタフェースについても検討する。
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