2014 Fiscal Year Research-status Report
初等・中等教育における新しいモノ作りのためのブレンデッド・ラーニングに関する研究
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26350271
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大森 康正 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80233279)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ブレンデッド・ラーニング / ポートフォリオシステム / プログラミング教育 / ファブリケーション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,デジタル化された物づくりによって地域の課題を協働で解決するソーシャル・ファ ブリケーションや IT を活用した 21 世紀型スキルとしてのプログラミングなどの「新しいモノ作 り」に対応した K-12 における体系的なカリキュラムとブレンデッド・ラーニング型教授法の開発とそれを支える知的学習支援システムの開発に関する研究である。そのために,本年度は以下の研究を行った。 (1)学ぶべき知識として,3Dモデラーによる設計の知識,製造機器に関する知識,素材に関する知識,情報技術(プログラミングやモラルなどを含む)に関する知識の整理を行い,K-12に対応した体系化なカリキュラムに関する基本的枠組みの構築を行った。これら構築したカリキュラムの一部について,構成主義に基づく学習活動と実証主義に基づく学習活動を組み合わせたスパイラル型学習活動をブレンデッド・ラーニングで行う教育方法と教材の開発を行い,公開講座や中学校での実践を通して,カリキュラム,教授方法の定性的・定量的な評価を行った。その結果,生徒の興味関心,意欲などに対して効果が期待できる事が確認できた。 (2)知的学習支援システムとして,学習対象領域に関する知識モデルに基づいた学習支援が可能なeポートフォリオシステムの開発の検討を(1)の成果に基づき行い,ブレンデッド・ラーニングで活用するデジタルテキストに学習分析が可能な機能をHTMLウィジェットの基本設計を行った。本機能は学習者の学習状況を分析するツールとして期待できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファ ブリケーションやプログラミングなどを含む「新しいモノ作 り」に対応した K-12 における体系的なカリキュラムの開発は,公開講座や県内の公立中学校での実践を通して,評価を行うなど着実な進展がみられる。また,ブレンデッド・ラーニング型教授法についてもモバイルラーニングとスモールステップに基づく実用的な実践を組み合わせた教授法を公立中学校において一部実践を行い評価を行った。さらに,その評価結果に基づきそれを支える知的学習支援システムの基本設計を行うなど,研究当初に定めた計画に対して順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,引き続き,前年度の収集した基礎データを基に,学ぶべき知識の整理とモデルの改善を行い,幼稚園年長組から高等学校までのK-12における体系的なカリキュラムの開発を行う。前年度の評価結果を基に,構成主義に基づく学習活動と実証主義に基づく学習活動を組み合わせたスパイラル型学習法による教材とブレンデッド・ラーニングの教授法の改善を引き続き行う。学習対象領域に関する知識モデルに基づいた学習支援が可能なeポートフォリオシステムの開発を行い,実践を通して機能面の評価を行う。 これらの研究成果については,デジタル・ファブリック,ロボティックス,プログラミング等に関する公開講座をブレンデッド・ラーニングにより実施し,定性的・定量的な評価を行う。その結果は,学会等での研究報告を行うと同時にWebサイトからの情報発信を行っていく。
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Causes of Carryover |
ABS樹脂などの消耗品が計画当初予定した使用量より少なかったり,カリキュラムや教授法の評価を行う実践を行う際に人件費,研究成果をまとめるHPの作成準備等の経費が節約した事により,若干,次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,カリキュラムや教授法の評価を行う実践の回数が当初計画より増やし,評価のためのデータ量を増やすことで評価結果の信頼性向上をはかることを計画している。そのために必要な人件費や消耗品などでの利用を予定している。
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Research Products
(3 results)