2015 Fiscal Year Research-status Report
多人数での演習において適切なフィードバックを支援するシステムの構築
Project/Area Number |
26350274
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高瀬 治彦 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10283516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴岡 信治 三重大学, 事務局, 理事 (30126982)
川中 普晴 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30437115)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 教育支援 / データマイニング / 記述式 / 演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,多人数での演習(小テスト)において適切なフィードバックを支援することであった.その中で平成27年度には,同じフィードバックを必要としている人をまとめることを目標としていた.平成26年度は,計算機環境で小テストを実施する場合を想定し,解答の入力過程に着目し,打鍵間隔のみから学生の状況を判定できる可能性を指摘した.これをふまえ,平成27年度はより高い精度で入力過程を収集し,学生の状態をより詳細に分析できる可能性について検討した.加えて,入力された解答そのものの可視化手法についても検討し,これらの情報を融合することで,より詳細な情報を可視化することも試みた.その結果,解答の入力過程については,キーボード入力に慣れていない学生を打鍵間隔に関する簡単な閾値による判定で判別でき,その上で,入力が停滞している箇所が学生の自信がない部分と強く関連していることを明らかにした.また,解答の可視化については,ただ要約するだけでなく色・配列などにより重要な内容を適切に強調することで,講師が主要な記述を素早く把握できるようになることが示された.これらを融合することで,自信がない学生の自信がない点についてわかりやすく可視化できるだろう. なお以上の結果は,平成28年度開催の国際会議・国内会議にて発表予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要の項に記したとおり,当初の目的に対して基本的な知見を得ることはできた.しかし分析内容が,全学生一律の基準によるものにとどまっており,各個人のプロファイルを利用した分析にはいたらなかった.このため,分析の結果得られる情報の粒度が粗いものとなっている. 以上より,研究の進捗の遅れはあるものの致命的ではなく,やや遅れた達成度にあるといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の予定は,フィードバック内容に応じてクラスタリングされた学生たちにそれぞれに,講師が望むフィードバックを簡単に行うことができるようにすることである.加えて,平成27年度に達成できなかった,(細かい粒度での)フィードバック内容に応じたクラスタリング手法の確立も必要である. まず,クラスタリング手法に関しては,キーの打鍵間隔の情報と,解答文の解析結果を融合することで,解析結果の粒度を細かくしてゆく.また,フィードバックを容易にする手法は,タブレット型端末を用いて解答の分析結果を閲覧すると同時に,フィードバック対象・内容を指定できるインターフェイスを開発する.この際,講師の意図を十分に反映した指定が容易にできるように,意図を汲み取る情報処理手法に重点を置き検討する予定である.
|
Causes of Carryover |
平成27年度分については概ね予定どおり執行した.平成26年度から繰り越した分がそのまま残額になった.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度については,計画どおり執行する予定である.設備費・消耗品費については端末等の購入に充て,旅費については成果発表のための旅費に充てる.人件費については,データ解析・システム開発補助のために充てる.繰り越した分については,適宜,不足する品目に充てる.
|