2014 Fiscal Year Research-status Report
眼球運動解析を取り入れた新規の外科手術手技教育ツールの開発
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26350275
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
塩見 尚礼 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70378462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 彰彦 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (50257888)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 眼球運動 / 医学教育 / 外科手技 / 腹腔鏡下手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 外科手術手技における動作解析、および外科指導医がもつコツや技術の数値化。 胆嚢摘出術は、本邦で年間4万件以上行われている頻度の高い手術であり,約80%が腹腔鏡下に行われている。腹腔鏡下手術の基本的手術として若い外科医が最初に取り組む手技である。腹腔鏡下胆嚢摘出術のシミュレーターを用い、外科指導医、修練医、医学生を対象に眼球運動、筋電図などの測定を行った。施行後には意識している手技内容について聞き取り調査を行った。また腹腔鏡下手術において基本手技となる縫合結紮手技について、ドライボックスを用いて眼球運動を測定する検討を行った。通常の手術に比べて術野が狭いので、これまで通りの測定が可能かどうかを検討した。画像を拡大すれば同様な検討が可能であることが判明した。 (2) 同一手術における指導医と修練医の動作解析と術中のコミュニケーションの数値化。 シミュレーターを用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術を対象手技とし,眼球運動の測定を外科指導医、修練医(研修医)の二人同時に行って解析を行った。指導医はカメラを操作し、修練医が術者となって手技を行った。この二人の眼球運動の差異を検討している。実際の患者での腹腔鏡下胆嚢摘出術について、円滑な導入ができるように検討を行った。機材の装着による術者に与える影響も無視できないことから、眼鏡を用いない眼球運動測定装置のデモを行い、適応可能であるかを検討した。同一手術での役割の違う二人の外科医の眼球運動について、比較する事が可能であり、二人が術中にどのようなコミュニケーションを行っているか、聞き取り調査も交えて検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の腹腔鏡下胆嚢摘出術、イヌやブタにおける腹腔鏡下手術での眼球運動測定の導入を計画していたが、達成できなかった。理由として実際の手術では了解する患者がいなかったためである。また本研究においてイヌやブタを用いた動物実験に対する予算を計上しておらず、他の研究において行う際、実験を行う予定にしていたが、当該研究期間にそのような実験が計画されなかったため、実施できなかったものである。 しかしながら腹腔鏡下胆嚢摘出術のシミュレーターや、縫合結紮手技においては予定どおり進展しており、さらに次年度予定のe-ラーニングテキストの作成に着手しており、全体として「おおむね順調に進展している」と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに腹腔鏡下胆嚢摘出術におけるシミュレーター、トレーニングボックスにおける腹腔鏡下縫合結紮の実施人数を増やすようにし、実際の患者における腹腔鏡下胆嚢摘出術の測定を目指す。すでに着手を始めているe-ラーニングテキストを完成させ、医学生、研修医に閲覧、その効果を眼球運動の測定で確認していく予定である。
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Causes of Carryover |
本研究代表者が2015/1/21より2015/3/14まで当学若手研究員海外研修の助成金を得て米国、韓国へ渡航していたため、当該期間に本研究の施行が行えなかったため、若干の差額が生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前述したように大きな研究計画の遅れはなく、差額はそれぞれ物品費、旅費、人件費として計上する予定である。
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Research Products
(2 results)