2015 Fiscal Year Research-status Report
教え合い学びあいの質向上と学習者によるインストラクショナルデザイン理論の活用
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26350281
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
市川 尚 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (40305313)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インストラクショナルデザイン / メタ学習 / 自律的学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,自律的な学習者の育成を目的に,インストラクショナルデザイン(ID)理論を教え合いや学び合いの方略として活用することの可能性を検討している.特に学習方略としてのIDの活用に主眼を置いている.2年目となる平成27年度は,これらの内容を扱う授業の実施と結果の分析を中心に行った.また,それを通して教材の改善を行った. 具体的には,スタディスキルズという学部1年生必修(受講者160名程度)において,科目の5回分をかけて,ID領域を中心に,認知心理学や自己調整学領域などを含めて,教え合い学び合いに役立つと想定される理論等を学習する教材を用意し,学生たちに学習してもらい,実際に大学の学びに活用させた.昨年度に整備した教材の内容を改善しながら進めた.この教材は,PDF形式のテキストであり,理論の紹介だけでなく,教える側と学ぶ側の双方の視点から活用のヒントを並べて提示している.方略を身につけるためには,覚えるだけでなく活用する(適用する)ことが求められるため,活用と報告のサイクルを数回まわすことにした.2年目の実践の結果として,ガニェの9教授事象が最も多く活用され,昨年度のARCSモデルと同様に,学習方略として学生たちに受け入れられることがわかった.計量テキスト分析の結果からは,学生たちが9教授事象の特に事象2,3,6・7が活用されていることが明らかとなった. 一方で,活用と報告のサイクルをまわすことの効果に関する評価や,身につけた方略を長期的に活用しているのかの追跡調査などが課題となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,自律的な学習者の育成に向けて,学習者自身が教え合い学び合いをする上で,インストラクショナルデザイン(ID)理論を方略として活用することの効果や,それを身につけていくための環境について,明らかにすることを目的とした3ヵ年の研究である. 2年目(平成27年度)の計画はほぼ順調に達成できた.前年度に開発した教材を改訂しながら授業実践を行い,学習方略としてのID理論を身につけるために,活用と報告(振り返り)のサイクルをまわしていくようにした.授業実践を前年度と比較しながら評価した.一方で,活用と報告のサイクルの効果に関する分析については,深い分析には至っていない. また,この実践の内容については,学部のキャリア学習科目における学年間の教え合いに取り入れることや,自学自習が中心となる入学前教育にも多少取り入れることができた.テキストを他大学の教員と共有し,授業の一部に活用してもらい,フィードバックを得ることもできた.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(平成27年度)はほぼ計画通りに進行できたが,実践結果の評価分析の一部が課題となっため,それらに配慮しながら,最終年度(3年目)も計画通りに実践的に進めていく予定である.本研究のフィールドにもなっている学部科目「スタディスキルズ」の担当などは継続するように努める. 最終年度は特に論文投稿を視野に研究を進める.身につけた方略(ID理論)が継続的に役立っているのかについて期間をあけての評価(追跡評価)を,平成27年度の実践後1年を目処に実施することにしたい.また,本研究において作成したテキスト等については,他大学教員等との共有方法(公開方法)についても検討していく予定である.
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Research Products
(3 results)