2015 Fiscal Year Research-status Report
形式記法を用いた表現外化のための教育プログラムの開発
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26350284
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Research Institution | Shobi University |
Principal Investigator |
山本 樹 尚美学園大学, 公私立大学の部局等, その他 (30535266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國宗 永佳 信州大学, 工学部, 助教 (90377648)
藤田 悠 長野工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (80573120)
須藤 智 尚美学園大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00383349)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / 日本語ライティング教育 / アルゴリズム的思考 / 形式記法 |
Outline of Annual Research Achievements |
尚美学園大学において2014年度からアルゴリズム的思考を用いたプログラミング教育を授業期間の中の6回分で実施した.アルゴリズム的思考教育では,この教育用に開発されたビジュアルプログラミング環境「AT」を導入している.ATは「ブロック」を用いてプログラムを作成し,LMS機能を有している.その他,指定したブロックごとにステップ実行ができ,「計画」ブロックを使ってプログラムの大まかな見通しが記述できる.さらに予め教授者が作成したプログラムや作成途中のプログラムを提示することができる.しかし,2014年度の授業では,このアルゴリズム的教育の教育効果がみられなかった.そこで2015年度ではATをより効果的に利用するため,例題の提示方法を変更し,制御構造の中の反復を学習する際に,プログラムの動作と変数の値の変化を学習者自身が考え記述する(トレース)する問題を追加した.結果,2013,2014,2015年度の受講者間に,反復の動作に関する点において評価した結果5%有意水準で学習効果がみられた. プログラムを利用した日本語ライティング教育については,長野工専で授業を実施した.教育方法は,受講者をA,Bの2グループに分け,それぞれのグループごとに課題を与え,その課題の「設計書」を作成させる.さらに作成した設計書を別グループの受講者と交換し,設計書を基にプログラムを作成してもらう.最後に.設計書の作成者とプログラムの作成者でディスカッションする.この教育では,日本語での情報伝達が重要なことに「気付き」を与えることを目的とし,2013年度から実施してきた.しかし,2013,14年度では,提示した課題に問題(類似している,難易度が違う)があったこと,設計書作成時のテンプレートの利用方法によって学習効果が見られなかったことから,2015年度ではこれらの問題点を検討し改善した結果,期待した学習効果が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アルゴリズム的思考を用いたプログラミング教育について,2014年度での授業において,その教育効果が見られなあったことから,当初予定していた国際会議での研究成果報告ができなかったことが,研究の遅れの1つ目の理由である. 2つ目に,日本語ライティング教育について,プログラムを用いた日本語教育を実施し,「気づき」を与える教育については,教育効果が見られるようになった.しかし,アルゴリズム的思考を用いたプログラミング教育の中で日本語ライティング教育を行うことについて,形式記法の検討,教育方法の検討にとどまり,教育実施ができなかったことが,研究の遅れの2つ目の理由である.
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Strategy for Future Research Activity |
プログラミング教育:2015年度に引き続き,ATを用いた授業を実施し,2015年度同様の教育効果が得られるかを分析し評価する.また,2015年度に実施した「トレース」問題について,評価対象の問題(期末試験)だけでなく,中間試験の結果を用いて分析を行う.さらに,2015,2016年度の結果と,トレース問題の分析結果から,学習者が誤答するパターンを分類し,パターンに応じた教育方法を検討する. 日本語ライティング教育については,教育方法について,検討する.検討した教育方法で,予備実験を行い,その後,プログラミング教育内で実施し,その結果を分析する.さらに,2016年度の結果を踏まえ,教育方法について再検討し,予備実験,プログラミング教育内で実施し,その結果を分析する.
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Causes of Carryover |
2013年度,2014年度のアルゴリズム的思考教育を用いたプログラミング教育の実践結果について,国際会議で研究成果の発表を予定していたが,実践を分析した結果,2013,2014年度で大きな差異が見られなかったため,発表に至らなかったためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2013,2014,2015年度のアルゴリズム的思考教育を用いたプログラミング教育の実践結果について,国際会議で発表するために予算を使用する. また,形式記法を用いて,プログラムを利用した日本語ライティング教育に関する教育を実践してきたが,これまでの高等教育機関での教育実践だけでなく,企業での実践を予定している.企業での実践に際して,教育カリキュラムの変更が必要となるため,これに予算を使用する. さらに,教育実践によるデータが大量にあるため,データを整理をするための人件費として予算を使用する.
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