2016 Fiscal Year Research-status Report
大学での情報科目における理解過程の可視化と診断・支援モデルの構築と評価
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26350285
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
匂坂 智子 麗澤大学, 外国語学部, 助教 (00637001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 庄寿 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (70337723)
吉田 健一郎 麗澤大学, 経済学部, 准教授 (70389899)
大塚 秀治 麗澤大学, 経済学部, 教授 (20203838)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学習状況 / 理解度 / コンピュータ利用歴 / 情報リテラシ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に次に三点について研究を行った。一つは研究代表者が所属する大学(外国語学部)において、2012年度から2016年度までの過去5年間に取得したコンピュータ・リテラシーのテストデータを用いてIRS (項目関連構造)分析を行い、学習者の理解構造の分析と可視化を行った。その結果、2014年度を境に学習者の苦手項目(正答率の低い項目)が増加したことや、年度を追って項目(問題)間の関連構造は細分化し、分散化の傾向がみられた。全体として学習者のPCスキルアップへの知識やスキルの低下がみられた。 研究の二つ目は、同様の傾向が他学部でもみられるかについて調べるために、同大学の経済学部において、2012年度から2016年度まで、初年次の情報リテラシーのクラスで実施された「入学前のコンピュータの利用環境や利用経験、情報リテラシー科目に対する意識調査」についてのアンケートを集計し分析を行った。その結果、学生のPC利用頻度や入学時点でのPCスキル、PCスキルアップへのモチベーションの低下、また入学前にすでに持っていると思われる情報に関する知識も低下傾向にあり、学生のPC離れの傾向が示された。 研究の三つ目は、2012年度から2016年度までの過去5年間に、外国語学部で行った学習者の学習方略の自己診断アンケートの分析についてである。学習者の学習方略のアンケート結果とコンピュータ・リテラシーのテスト結果との関連を調べたところ、学習方略の持ち方が、テスト結果や学習の理解度に少なからず影響を与えることが分かった。上記の結果により、従来予定していた学習支援やアドバイスの方法をさらに検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の進捗状況は、取得したデータの分析はほぼ完了した。しかしこの5年間で学習者を取りまく情報環境やPCスキル、学習者の意識、さらに情報に関する基礎知識に大きな変化が見られた。研究をはじめた頃予定していた学習支援モデルやシステム化についても、このような変化に対応していく必要があるため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度で過去5年間に取得したデータの分析は終わったので、今後はそれらの結果に基づき、学習支援のための診断支援モデルの洗練化とシステムへの応用をすすめていく。具体的にはテストや学習方略の分析結果を用いて、学習者モデルを作成し、IRS分析の結果を使い診断モデルやアドバイスを作成する。
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Causes of Carryover |
今年度は新たに研究分担者を追加してこれまで取得したデータの分析と評価を行った。今後はシステム化をはかるために、研究協力者の追加と研究報告のための学会参加費用にあてたいと考え未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究協力者の協力を得てモデルのシステム化を行うため、未使用額はその経費にあてることとしたい。また次年度は最終年度であるため研究報告の回数を増やすなどしたい。
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Research Products
(3 results)