2014 Fiscal Year Research-status Report
複数の生理指標を用いた高度インタラクティブ教育コンテンツの評価・分析手法の開発
Project/Area Number |
26350293
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
植野 雅之 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (50300348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 友幸 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (50300314)
和田 慎二郎 プール学院大学短期大学部, 秘書科, 講師 (70321114)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 生理指標 / ゲーミフィケーション / データ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,シリアスゲーム,トレーニングゲームなどの高度にインタラクティブな教育的コンテンツにおける教育的な効果科学的に評価するため,対象となるコンテンツやシステムを操作する人間のリアルタイムの視線行動,心拍,体温,姿勢等などの生理指標を用いて,これらのシステムや環境を評価・分析する方法を開発することが目的である. 当初計画においては,初年度となる平成26年度では,被験者である人間の様々な生理指標(視線行動,心拍,体温,呼吸,動静等)の同時計測がおこなえるヒューマンアクティビティ計測システムを最初に構築するとしていた.しかし,このような計測システムの構築は煩雑ではあるが単なるシステム構築であり,これが完成したからといって,本来のゴールと言える分析手法が確立するわけではない.また,心拍データを用いた予備的な実験などをおこなってみたところ,生理指標による時系列データは個人差が大きく,必ずしも明快な結果が得られるものでないことが判明したため,まずは,心拍を中心に実験,データ分析,その計測値の扱い方を検討しながら,他の生理指標を計測のために入手した機材の評価を進めることとした. 実験としては,複数の被験者に対して,TETRISゲームをおこなう被験者の心拍変動,もっと単純な一定の認知的作業時の心拍変動,二重課題を与えた場合の反応時間などを計測する実施し,一定の成果を得て,いくつかの研究会等にて発表をおこなった. データ分析は試行錯誤的におこなう必要があるが,Mathematicaを用いたデータ分析環境を構築し,計測したデータファイルを処理し,分析するための枠組みを構築している.また,研究分担者の間でクラウドを用いたデータ共有環境を構築し,分析手法・分析プログラムを検証しながら進められるような環境を構築し,分析作業を進めている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画を複合的計測システムの構築から,個別の生理指標の分析に変更した点は,若干,遅れ気味と言うべきかもしれない.また,新しく導入した機材の特性が想定したより悪かったため,その特性評価をおこなう必要が出てきたために時間を取られたということは確かにある. ただ,全体の目的である評価・分析するための手法の開発という意味では着々と実験は実施できているので,今回は順調に進展ということにする.
|
Strategy for Future Research Activity |
心拍については,実験結果として得られた計測データの分析がまだまだ十分と言えない状況であるので,これをさらに進める. 心拍以外の生理指標として挙げている「体温」についても,サーモグラフィセンサの温度計測特性の評価がおこなえたので,これについても一定の実験をおこない,心拍と合わせたデータ分析をおこなっていく. 具体的な学習対象としてタッチタイピングなどを対象に実際の分析をおこなっていきたい.
|
Causes of Carryover |
購入機材の計画として無駄を省く目的で若干見直したこと,実験を学生ボランティアで賄うことができたため謝金が少なくて済んだこと,思ったより実験等に時間がかかり,研究発表が十分できなかったことなどが理由として挙げられる.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ヘルスケア分野においては,センサー・デバイスの新製品が多く開発・発売されている状況となっているので,有効性・利用性が高いと思われる機材の購入に充てたい.また,今後,実施する実験のための予算としたい.
|