2015 Fiscal Year Research-status Report
モーションキャプチャを利用した実践的な機械加工訓練シミュレータの研究
Project/Area Number |
26350297
|
Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 宣慶 広島工業大学, 工学部, 准教授 (00433699)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | モーションキャプチャ / 旋盤作業 / 技能訓練 / 複合現実感 / シミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,旋盤作業訓練シミュレータに作業者動作によって操作する機能を追加した. まず,被験者3名に対して,手を広げる,跳躍する,前かがみになるなどの全身動作を行わせ,それをモーションキャプチャにより測定した.これにより,事前に検討していた身体に固定するマーカの位置が妥当であることを確認した.検出したマーカの動きを常に追跡するプログラムを作成し,そこから,身体部位(頭,肩,肘,手背など)の位置を把握できるようにした.また,剛性の高いカメラの固定枠が必要であることがわかり,アルミフレームにより製作し,カメラの位置と方向の再調整を行った. 次に,被験者6名に対して,旋盤で「工具送りハンドルを回す」「主軸起動レバーを動かす」などの操作を行わせ,身体動作を測定した.この結果に基づき,具体的な操作の内容を認識できるパターンマッチングの方法を検討したが,主軸の減速歯車の切替えレバー操作において歯車がしっかりと噛み合わない不十分な切替えや,操作ハンドルの等の細かい操作量の検出が必要なものでは,十分な検出ができなかった.そのため,操作感を阻害しないハンドルやレバー部分にモーションキャプチャ用のマーカを貼り付け,その位置から操作量を計測することとした. 以上の身体動作と操作量の計測を旋盤作業訓練シミュレータに導入した.本シミュレータは,作業者頭部位置の計測結果をもとにHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に実物の旋盤とコンピュータグラフィクスの工具や工作物を表示した複合現実感によるものである.主軸起動レバーや回転数切替えレバー,送りハンドルの位置検出から操作量を読取り,それに対応して仮想の工作物や工具が動く.工作物と工具が接触すると切削が行われ,工作物の形状が変化する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作業手順を教示する機能と誤操作や危険行為を行った場合の警告機能をシミュレータに付加することを,本年度に予定していたが,完了していない.これは,次年度のシミュレータの有用性を検討する実験で課題内容を設定するときに,同時に両機能の仕様も決める方が,効率的に研究が進められるからである.
|
Strategy for Future Research Activity |
本シミュレータを使い,被験者に対して旋盤より加工できる部品を課題とした訓練を実施する.課題内容は旋盤技能検定や大学の機械加工実習の課題をもとに設定する.シミュレータには対象作業の手順を教示する機能と,誤操作や危険行為を行った場合の警告機能を付加する.被験者は3群に分け,シミュレータにより訓練する群,作業方法を説明したビデオにより学習する群,作業方法を説明した手順書により学習する群とする.訓練(学習)後,実際の作業を行わせ,作業時間や誤操作と危険行為の回数により各群を比較し,本シミュレータの有用性を検討する.なお,実験に使用するビデオと手順書は,大学の機械加工実習指導員にアドバイスを受けながら実際の実習で使用できるものを,独自に作成する.
|