2014 Fiscal Year Research-status Report
スマートグリッドのエネルギーマネジメントに基づくパワエレ学習支援システムの開発
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26350302
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
上町 俊幸 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50280334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 簡易型実験装置 / 太陽光発電シミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で開発するパワエレ学習支援システムは,スマートグリッドのエネルギーマネジメントを考慮したシミュレーションや実験を通して,エネルギー問題やパワーエレクトロニクス(以下,パワエレ)に関する興味を引き出すとともに,パワエレの学習効率を高めるものである。今年度は,学生用実験装置として,簡易型実験装置および太陽光発電シミュレータの開発を行った。 簡易型実験装置は,電力網との電力の受け渡しをする電力変換部において,昇圧回路,降圧回路,昇降圧回路など,どのような回路が適切であるか学生が選択し,その回路を構成して実験に取り組めるようにしたものである。具体的には,スイッチ,ダイオード,キャパシタ,インダクタなどの各ユニットを,工具などを用いることなく,コネクタで接続するだけで手軽に電力変換回路が構成できるようにした実験装置である。学生は,どのような回路構成が適切であるか考えることで,各回路のメリット,デメリットを理解することができる。また,自らが選択した回路の特徴について,即座に実験で検証することができるため,理解度を深める効果がある。 太陽光発電シミュレータは,太陽電池のV-I特性を再現する実験装置である。今回は,400,600,800,1000[W/m2]の照射量に対するV-I特性を近似計算により求め,これを再現するように構成した。時々刻々と変動する太陽電池の発電量に対し,学生は,どのようにエネルギーを取り出すことが適切なのかを考え,それを実験により確認することで,より深く理解できるといった効果がある。今年度は,限られた照射量のV-I特性を再現するだけにとどまったため,平成27年度の研究計画に,太陽光発電シミュレータの改良を加えることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画に従い,簡易型実験装置の開発および太陽光発電シミュレータの製作に取り組んだ。簡易型実験装置に関しては,装置の動作確認を行ったものの,これを用いた実験に関して検討が不十分であると判断した。また,太陽光発電シミュレータに関しては,ある特定の照射量について太陽電池のV-I特性を再現できたものの,使用したマイコンの制限により,数種類の照射量についてしか再現ができなかったため,今後,改良が必要であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,当初の計画通り,風力発電を模擬する風力発電シミュレータと,エネルギーマネジメントのシミュレーションプログラムの開発を行う。また,平成26年度に開発した太陽光発電シミュレータは,使用したマイコンの制約から,数多くの照射量でのV-I特性を再現することができなかった。そこで,外部ROMにV-I特性のデータテーブルを置くことで,マイコンの制約を回避し,より多くのV-I特性を再現できるよう,太陽光発電シミュレータを改良する。 eラーニング教材に関しては,平成27年度から平成28年度にかけて開発する計画であったが,太陽光発電シミュレータの改良をする必要があるため,時間が取れない場合は,平成28年度に重点的に取り組むこととする。
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Causes of Carryover |
研究実施計画では,平成27年度において風力発電シミュレータを開発し,学生が風力と発電電力量の関係について学ぶことを想定していた。しかし,風車のトルクも測定できた方が,より理解が深まると考え,トルクメータを購入することとした。 購入を決めた時点で,トルクメータを購入するだけの残額がなかったので,平成27年度に購入することとしたが,平成27年度の予算を圧迫しないよう,平成26年度の残額をトルクメータに充てることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,計画通り,設備備品としてサーボモータとサーボアンプを購入する。これに加え,平成26年度の残額を使って,トルクメータを購入する。
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