2015 Fiscal Year Research-status Report
スマートグリッドのエネルギーマネジメントに基づくパワエレ学習支援システムの開発
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26350302
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
上町 俊幸 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50280334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 風力発電シミュレータ / パワーエレクトロニクス / eラーニング教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で開発するパワエレ学習支援システムは,スマートグリッドのエネルギーマネジメントを考慮したシミュレーションや実験を通して,エネルギー問題やパワーエレクトロニクス(以下,パワエレ)に関する興味を引き出すとともに,パワエレの学習効率を高めるものである。今年度は,学生用実験装置として簡易型の風力発電シミュレータの開発と,パワエレに関するeラーニング教材の開発行った。 簡易型の風力発電シミュレータは,平成26年度に開発した簡易型実験装置および太陽光発電シミュレータと組み合わせて使用するもので,分散型発電システム(シミュレータ)と電力網との電力の受け渡しをする電力変換の実験を行うためのものである。一般的な風力発電シミュレータは,発電機と電動機を連結させたM-Gセットを用い,電動機に風車を模擬させることで,風力発電を再現する。本研究で開発した簡易型の風力発電シミュレータは,風車の特性と発電機の特性をマイコン内部で演算し,マイコンに風速データを与えることで,発電機から出力されるであろう電圧をチョッパにより出力するものである。マイコン内部で風車と発電機を模擬するため,M-Gセットのような回転部分を持たず, 安全に風力発電を模擬することができるため,学生実験に適しているといえる。 eラーニング教材は,実験やシミュレーションだけでは補うことができない,パワエレの理論を自学自習できるようにするためのものである。今回開発したeラーニングシステムには,WebClassを利用した。開発した教材は,パワーポイントを用いた理論解説スライドと,簡単な確認テストである。eラーニング教材の開発と並行して,平成27年度の授業において,予習用教材として理論解説スライドを使用してみたが,授業の前の予習で使用する学生はわずかであり,主に試験前の学習に使用されたようであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画に従い,風力発電シミュレータの開発に取り組んだ。回転部分を持たない簡易型のものではあるが,実験により風力発電を模擬できていることを確認した。しかし,学生実験で使用することを考えると,配線等で安全面に考慮されているとはいえないため,さらなる改良が必要であると判断した。 また,研究計画ではエネルギーマネジメントのシミュレーションを作成する予定であったが,早めにeラーニング教材を開発すれば,実際に授業で使用し,学生からのフィードバックにより改良しやすくなると考え,シミュレーションの作成に代え,eラーニング教材の開発を行った。eラーニング教材も,授業で使用してみたものの,まだまだ改良が必要であると考える。 平成26年度に開発した,太陽光発電シミュレータの改良には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,平成27年度にできなかったエネルギーマネジメントのシミュレーションプログラムの開発を行う。また,平成26年度に開発した太陽光発電シミュレータの改良と,平成27年度に開発した風力発電シミュレータとeラーニング教材の改良を行う。平成27年度の風力発電シミュレータは,回転部を持たない簡易型のものであったが,すでにモータを購入しているので,それを用いたシミュレータも開発する。 実験装置に関しては,一通りの開発が終わるので,実際に使用できるよう実験内容を検討し,マニュアル等の整備を行う。 eラーニング教材に関しては,平成27年度に開発したものがあるので,これの改良を進めるとともに,アクティブラーニングに対応した演習問題の充実を行うこととする。
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Causes of Carryover |
平成27年度は,モータと発電機を用いた風力発電シミュレータを開発する予定であったが,交流電力系統への回生実験が行えるようマイクロインバータを購入したことから,モータや発電機周辺の部品を購入できない可能性があったため,モータと発電機を使わない簡易型の風力発電シミュレータを開発した。 平成27年度中にモータと発電機は購入したが,残額が周辺部品をすべて購入できる金額ではなかったため,送料等を考慮し,平成28年度にまとめて購入することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は,モータと発電機を用いた風力発電シミュレータを開発する。そこで必要となる,アルミアングルやモータベースなど,平成27年度に購入できなかった周辺部品を購入する。
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