2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a Model to Process the Physiological Signals of the Central Nervous System for Estimating the Degree of Concentration of an Online Learner
Project/Area Number |
26350315
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小俣 昌樹 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (60402088)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生理心理学 / 生体信号 / 理解度推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,オンライン学修コンテンツの学修者の心的状態を推定するモデルの確立を目指し,その初期段階として,学修者の集中などの程度を生体信号から推定する数理統計モデルを確立することである.このモデルによって,従来手法では閲覧履歴や小テストなどから断片的にしか把握できなかった学修過程を,心的状態を含めて客観的・連続的・無意識的に把握できるようになると考える. 最終年度の3年目である2016年度は,この心的状態のひとつの指標として,学修者の「理解度」を脳波や脳血流などの生体信号から推定する重回帰モデルを検証した.第一に,外国語(英語)の文章を読解している学修者の生体信号と英語文書全体への理解度との関係を重回帰分析した結果,寄与率が0.82となった.測定した生体信号は,頭皮上の脳波,頭皮下2 cm程度の脳血流内の酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの比,指先の容積脈波,手掌の皮膚コンダクタンス変化,腹部の呼吸運動,および視線である.一方,測定した理解度は,読解完遂時間,小テストの得点,理解につまずいた割合である. 第二に,外国語(英語)の文章を読解している学修者の生体信号と英語文書中の文単位での理解度(自己申告による4段階)との関係を重回帰分析した結果,実験参加学修者全員のデータを一括した場合の寄与率は0.34と低くなった.そのため,参加学修者各人の生体信号と理解度とを重回帰分析したところ,寄与率の最小値は0.52,最大値は0.81,平均値は0.69となった. 第三に,ここまでの実験・分析結果に基づいて構築した理解度推定モデルを用いて,学修者各人の生体信号から理解度を推定するシステムを設計し,プロトタイプを実装した.
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