2016 Fiscal Year Research-status Report
社会人の自発的協同学習を誘発するオンライン学習環境の開発
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26350331
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
秋光 淳生 放送大学, 教養学部, 准教授 (60334348)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | eポートフォリオ / 生涯学習 / 遠隔学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年間の放送大学の放送授業の学生を対象にeポートフォリオサーバについて運用を行った。受講生が約7500名であった。放送大学は遠隔学習機関であり、教員が学生と対面で会うことはない。そこで、操作説明については、事前に収録した放送授業や数分の動画を作成し、それを公開することによって行い、別途対面での操作説明会などは行わなかった。放送授業では単位取得のしくみは単位認定試験と通信指導問題でしかなく、通信指導問題にeポートフォリオの利用を絡めた問題を作成することによって、ログインや利用を促すことはできた。しかし、提出の義務がなく、成績にも影響がなかったため、多くの学生は、試しにログインし、公開されているページを見る学生は多かったが、通信指導問題後も引き続きログインして、自分の学習記録を記録し使い続ける学生はほとんどいなかった。利用者に対するオンラインアンケートでの自由記述でも、利用の意義が分からない、また、利用に困難を抱えているという意見があった。2016年度から、放送大学でもオンライン授業が開始され、作成したeポートフォリオを提出し、学生同士で閲覧するといった活用をするための土壌が育ってきているので、今後はオンライン授業での利用について検討することが望まれる。 学生がいつどのページを閲覧したかを記録するログツールを作成した。従来の放送大学の放送授業においては、学期中の学生について知ることはほとんどできなかったが、今回の運用を通して学生の学習過程や主にアクセスする活動時間などを知ることができた。今後は、蓄積したデータベース上のログの分析ツール作成や、利用者へのインタビューによる、より詳細な利用調査を行うことが望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今回対象とした学生は、通信制の大学であり、普段顔をあわせることがなく、提供するサービスは常時安定した運用が望まれる。しかし、2016年度1学期にサーバ機器に不調があり、その復旧に時間が取られたために、遅れが生じた。また、新たなツールの実装することが出来なかった。また、研究代表者が本務校において業務が増え、データ解析に対して十分な研究開発時間を取ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
放送大学では事前に作成した教材を提供するだけで、学期中に学生に対しては追加の指示や教材を提供するための手段が限られていた。今回、eポートフォリオという新たなツールを利用させるところまでは導くことができたが、提供し利用させるだけで、主体的に継続して利用するまでには至らなかった。放送大学でも形成的評価を用いてフルオンラインで単位を与えるオンライン授業という科目が始まった。利用の普及という意味では、オンライン授業において、段階的にサポートをしながら利用させていくことが有効だろう。今回の試みを整理する上では、利用者に個別にインタビューを行うことでより詳細な利用状況を知り分析を行うことが望まれる。 また、今回は簡単なログ抽出のツールを用いて分析を行ったが、データベース上に蓄積されたデータもある。今後は、データベースに蓄積されたデータの分析手法について検討する。分析結果については、放送大学におけるオンライン授業の受講データ分析結果と併せて検討を行うことが有効であると考えている。
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Causes of Carryover |
本務校における業務多忙のため、発表についての時間を得ることができなかった。遅れている分の研究成果をまとめ発表を行う。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会参加費及び消耗品の購入。
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Research Products
(1 results)