2014 Fiscal Year Research-status Report
理工系大学生の適職発見のためのWebシステムの開発
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26350333
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
横山 明子 帝京大学, 理工学部, 教授 (70230654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 正之 帝京大学, 理工学部, 教授 (70212602)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 理工系大学生 / 職業選択 / 適職発見 / Webシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、研究計画の(1) 理工系学生が適職発見するための支援として必要なガイダンスモデルの検討および、(2)ガイダンスモデルに基づくWebシステムのデザインと実装のうち、前者(1)の研究を行った。 具体的には、① キャリア発達理論についての文献研究および、②理工系学生を対象とした調査研究うちの予備調査、③ガイダンスモデルの構想を作成した。 まず、①キャリア発達に関する理論的研究においては、大学生の職業選択・決定の困難さと決定するための条件を明らかにするために、その職業選択・決定のプロセスに注目し、社会的学習理論、特に認知的情報処理理論(Perterson, Sampson, & Reardon,1996)を中心に理論的研究を行った。そこで得られた知見として、職業選択・決定を行う場合に重要なことは、自分自身の状況をモニターし、その状況をフィードバックするというメタ認知的な知識である。また、その選択・決定の過程は、自己理解と職業理解を行ったうえで収集した情報を統合する過程として、自分自身進路決定の状況をモニターする、自分の問題について分析し同定する、自分の問題について精緻化と結晶化の過程を通じて実行可能な選択肢を形成する、個人の価値体系にそって選択肢のどれが良いかを評価する、選択肢をどのように実行するかを考えるという過程があるということである。この理論的研究から、③のガイダンスモデルの枠組みを具体的に考察した。 また、②の大学生についての調査研究においては、まず、就職活動に至るまでの1年生~3年生を対象として調査を行い、キャリア発達の状況を明らかにした。また、大学3年生を対象として職業理解のための学習プログラムを作成したうえで実践を行い、効果を検討した。さらに、システム開発に関連する研究も行った。 これらの研究成果について、関連する学会及び論文にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、ガイダンスモデルの構築に必要な大学生を対象とした調査研究のための質問紙を作成することに、大幅に時間を要したことにより、それを用いた調査の時期が当初の計画よりも遅れたことが主たる理由である。そのため、平成26年度の研究目的の一つである大学生の適職発見の支援システムに必要な条件などを十分に明らかにできなかったことから、支援システム開発を行う協力者や開発環境の準備は整っていたが、具体的に支援システムの設計と試作にまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度の研究計画のうち、まず実施に至らなかった研究を引き続き行う。具体的には、ガイダンスモデルを構築するために、支援システムに必要な機能の分析についての理論的な研究をさらに行うとともに、調査データの詳細な分析も引き続き行う。そしてそれらの研究成果をもとにして、支援システムの設計と実装を行い、システムを試作する。さらに、そのシステムを用いて大学生を対象とした予備的な実証実験を行う。 その後に、平成27年度の研究計画にそって本格的な支援システム構築に着手し、実証実験を行いながら、システムの改良を行っていく。またそれと同時に、大学生のキャリア発達やガイダンスシステムモデル構築のための理論的な研究も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
「現在までの達成度」に記載したように、調査研究を行うための質問紙の作成に時間を要し調査時期が当初の計画よりも遅れたため、特に、調査実施に関わる物品費や印刷費などのその他費用、および調査データ分析に関わる物品費や人件費(謝金)、さらに、それに続くガイダンスシステムの試作に関わる物品費や人件費(謝金)の支出が当初の予定よりも少なかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、平成26年度に行う予定であった支援システムに必要な機能の分析に関する理論的な研究を行うための書籍代などの物品費、調査実施とデータの分析に関わる物品費と人件費(謝金)を支出する予定である。また、支援システムの試作に関わる物品費や人件費、さらに、そのシステムを用いて予備的な実証実験を行うための物品費などを支出する予定である。 その後、平成27年度の研究計画である本格的なシステム開発に着手するための物品費や人件費、そのシステムの有効性を検討するための実証実験に関わる物品費や人件費、印刷費などのその他費用を支出する予定である。また、さらなる理論的な研究を行うためのなどの書籍代などの物品費などを支出する予定である。そして、これらの研究成果を国際学会で発表する予定であるため、そのための旅費を支出する予定である。
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