2015 Fiscal Year Research-status Report
ファシリテーション型授業に対する授業分析法の開発研究
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26350334
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
北垣 郁雄 東京都市大学, その他部局等, 教授 (20016679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永岡 慶三 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90127382)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ファシリテーション / アクティブラーニング / 大学教育 / 教育工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに行ったファシリテーション分析例(ファシリテータ:M.サンデル、於東北大学)を参考にして、新たなファシリテーションを計画した。そこでは、6つの要因を重視し、ファシリテーションを行った:・(講義の)核-講義の存在意義を示す。・対比-対をなす概念で対話を特徴づける。「AかBか」、「Aかnot Aか」の意。・喚起-受講者に対し、当該講義への参加意識を高めることへの配慮を意味する。前述の「対比」を明確化し参加者の属性を明示する。・裏付け-推論や結論を述べる際に、裏付けがあるか、さらにはその裏付けに信憑性があるか。・矛盾-一見整合性に欠ける2つの事柄を提示することで受講者の注意を引き、さらにその思考を深める。・決意・願望-教授者の講義に対する意気込みや参加者に対する期待。 6名の学士課程生(経営工学科)を対象した。課題は,「レポート等のコピー&ペースト」である.下記の2~3の下位課題を準備した. ・コピペの抑止力と学習情報収集を趣旨とした,レポート課題と(個人情報を含まない)学生レポートの限定的Web公開.・学生レポートのコピペに関する教員の責任の有無.・学生の不正レポートに関し,職業的研究者の不正論文に対するのと同じ措置を施すことについて. 実施状況をビデオ撮影し、会話進行の分析を行った。その結果、以下の結論を得た. ・課題提示の直後に,賛否の色表示を行うと,ファシリテーションが比較的容易に進むこと.また、参加者にとっても,意思を固めるのに有効であること.・賛否を問う内容は,分かりやすい表現で示さなければならないこと.しかし、内容が簡単すぎると諸条件が不明確なために意見が表明しにくいこと.すなわち、どの程度の簡潔さがベストであるかをよく見極める必要があること.・学生の指名では、指名先が偏らないよう,配慮が必要であること.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファシリテーションやアクティブラーニングの枠組が、現在のところ、オーソライズされたものが少なく、本実施内容の位置づけに未だ検討の余地を残している。
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Strategy for Future Research Activity |
アクティブラーニングの一環としてのファシリテーションという位置づけを図るため、今後はより広く研究情報を収集し、研究開発を行う予定である。
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Causes of Carryover |
データ整理と分析がPC性能等で、予想外に時間がかかった。その結果、公表にかかる研究発表が間に合わず、予定使用額に変化が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
より性能の高いPCの準備により、分析結果を得、研究実績として公表する予定である。
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