2015 Fiscal Year Research-status Report
新しい適応アルゴリズムを用いた民俗芸能演奏のIT化とその普及・継承
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26350352
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
工藤 憲昌 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40270194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釜谷 博行 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70224657)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 計測工学 / 自動採譜 / 情報システム / 教育工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,演奏音を分析する際の2つの課題,1)近接する音の漏れ込みが発生すること,2)オクターブ間の音の漏れ込みが発生すること,に対処するため,LMSアルゴリズムに時変性と周波数変動の耐性を取り入れた方法を計算機シミュレーションにより検討し,御神楽等の演奏音の採譜処理を行って基本的な性能を確認した. 平成27年度は,昨年度検討した方式を元に,以下のような計画で研究を進めた. 1.御神楽等の分析を行いその判定結果を広く普及しているMIDI(Musical Instrument Digital Interface)ファイルへ変換するシステムを開発する. 2.実時間処理に必要なDSP(ディジタル信号処理プロセッサ)システムの選定を行い,使用方法を理解し御神楽音等の分析システムを実装する準備を行う. 上述の1.については,システムの動作を検証するために,まず,市販のソフトウエアにより西洋音楽の楽譜から笛等の演奏信号の合成信号を作成し,その合成信号を開発した分析システムに通し,作成したMIDIファイルから元の楽譜を得ることができることを確認した.次に,実際の御神楽を分析したが,西洋音楽ではないことからいくつか調整(小節内の音符の数等)が必要な項目が明らかになった.また,上述の2.については,DSPシステムの選定を行い,使用方法を理解して分析システムを実装する準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」で既述したように,H26年度の結果を元に,以下のような計画で研究を進めた. 1.御神楽等の分析を行いその判定結果を広く普及しているMIDI(Musical Instrument Digital Interface)ファイルへ変換するシステムを開発する. 2.実時間処理に必要なDSP(ディジタル信号処理プロセッサ)システムの選定を行い,使用方法を理解し御神楽音等の分析システムを実装する準備を行う. 1.については,近接する音からの漏れ込みを同一オクターブ上の周波数の波高値を同時に推定すること,およびダウンサンプリング(サンプリング周波数をサンプリング後に下げる処理)を行うことにより対処し,楽音の分析結果をMIDIファイルへ変換するシステムを開発した.システムの動作を検証するために,まず,市販のソフトウエアにより西洋音楽の楽譜から笛の演奏信号の合成信号を作成し,その合成信号を開発した分析システムに通し,作成したMIDIファイルから元の楽譜を得ることができることを確認した.次に,実際の御神楽を分析したが,西洋音楽ではないことからいくつか調整(ピッチベント(周波数の小修正),小節内の音符の数等)が必要な項目が明らかになった.また,御神楽音では,西洋音楽に比べ音高間の周波数差が大きいため,楽譜の見易さの観点からのMIDIファイルと演奏の忠実さの観点からのMIDIファイルと2種類を作成するシステムとした. 2.については,実時間処理に必要なDSPシステムの選定を行ったが,計画と異なり使用方法を理解して分析システムを実装する準備を行ったに留まった.
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度は,これまでの検討を元に,DSP(ディジタル信号処理プロセッサ)システムに実装して演奏音を処理した後ホストPCでMIDIファイルへ変換するシステムを構築する.実際の演奏では,笛などで,ある音から異なる音へ移行する際に,笛の穴の押さえ方が不十分であるために規定外の音が発生する,信号のゲインが一定ではない,などの問題点があるため,これら実演奏に伴う対処や方式上の改良点について検討する.また,音楽的な知識を取り込んだエージェントプログラムを作成する予定である.更に,演奏を支援するツール(横笛の場合,穴の押さえなどの情報を計算機に取り込み正誤判定を行う)を作成する.さらに,実際に,既に要望されている地元(八戸市内の浜市川地区)の御神楽保存会の方に,このMIDIファイルを使ってもらい改良点等の意見を反映させる予定である.
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Causes of Carryover |
実時間処理に用いるDSP(ディジタル信号処理プロセッサ)システムとホストPCの間の実時間モニタリングの性能に関して選定が難航しH28年度は実装する準備をおこなったに留まった.また,H26年度は学位授与機構関連の校務が多忙で学会発表を絞らざるを得なかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実時間処理に用いるDSP(ディジタル信号処理プロセッサ)システムとホストPCの間の実時間モニタリングの性能に関して選定が難航しH28年度は実装する準備をおこなったに留まった.ホストPCからのモニタープログラムを購入する予定である.また,H26年度は校務が多忙で学会発表を絞らざるを得なかったが,H28年度は計画通りに国際会議等で成果発表を行い,当初の計画と整合を図る.
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Research Products
(7 results)