2014 Fiscal Year Research-status Report
理工系公開学習資源を活用した高専生向け英語学習教材の開発法
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26350354
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
青山 晶子 富山高等専門学校, 一般教養科, 教授 (40231790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 太一 岐阜工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (60214558)
石貫 文子 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (00450148)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | OER / レポジトリ / メタデータ / 高専 |
Outline of Annual Research Achievements |
OERが世界的な規模で急速に拡大する中、OERレポジトリは、コンテンツへのメタデータの付与や標準化による相互運用性の向上、OERを利用した教育実践例や課題を共有する場の創設など、コンテンツの収蔵からコンテンツと利用者をつなぐ役割へと機能が変化しつつあることがわかった。調査結果の概要は以下の通りである。1)北米のMERLOTやOER Commonsは、ポータルやゲートウエイとしての機能を果たし、特に、MERLOTは、教材制作用ツールや多言語翻訳機能の提供、peer-reviewによるコンテンツの品質保証など、様々な障壁を超えた持続可能なOERレポジトリとしての機能している。2)Rice大のConnexions発のOpen Textの出版は、種類も増え、CCライセンスによる講義用テキストが、Open Textbook Libraryから、誰でも無料でダウンロードして利用できるようになった。3)研究開始当初は本格稼働していなかった英国では、英国版MOOCであるOpen University(OU)が講義配信を開始し、高等教育機関向けのOERレポジトリであるJorumも格段に充実した。OUには、BBCと共同制作プログラムがあり、テキストのような静的な素材ばかりではなく、動画や音楽、ゲームなどの多様な媒体で提供されている。 レポジトリの調査に並行して行ったOERの利用方法の調査では、①既存の教材への追加、②既存教材との置き換え、③OERをベースに新たなOERを作成して使用、④本来とは異なる目的での使用などがあることがわかった。今年度は、理工系OERを英語の学習教材化するためのメタデータとしての文法項目の抽出(③と④)、自律学習支援のためのOERの利用(①と②)についての研究を行った。 次年度より、レポジトリ調査によって得た理工系OERのリストに基づき、それらを実際の授業に組み込んで利用する方法について、メタデータの項目やモジュールの粒度など、より具体的な研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学の講義の公開であるOpenCourseWareから始まった北米系のOERと、UNESCOによるOpen Educationの流れが合流したことにより、OERの流通量が急速に増え、当初予定していた理工系OERのリスト作成が追い付かなかったため。さらに、OER研究の焦点が質の保証や効果的な利用方法へと変化し始め、OERのライフサイクルに関する情報収集が必要となってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に蓄積した理工系OERに基づき、英語学習コンテンツへの再構築するためのシラバストピックの決定と、英語学習コンテンツへの再構築に必要なノウハウであるメタデータの作成および小規模のインストラクショナルデザインの蓄積を行う。 前年度に引き続いて行うレポジトリの研究は、高専への留学生の派遣元であるアジア諸国と高専との交流協定提携校のある国を対象とし、高専の英語教育におけるより実践的な情報を収集するものとする。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際会議(Open Education Consortium)への一部がウエブ上で公開され、渡航目的の一つであったopen textに関する講演がWebinar形式で参加できたことと、コミュニティカレッジや大学連合では、OERを利用した講義が急激に拡大してはいるが、高専の環境に応用できるようなOERのライフサイクルの確立には至っていないと判断し、予定していた海外渡航を延期したことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
OER研究は、極めて短期間のうちに、流通量の増大からOERの質の保証や効果的な利用方法へと、焦点が移りつつあるため、理工系OERに焦点を絞り、OERの開発と利用の両方に実績を持つ交流協定先の高等教育機関において、利用に焦点をおいたより実践的な情報を収集することとした。OERの流れは展開が速いため、交流協定締結機関のある米国と欧州(英国とハンガリー)における状況を把握しながら、OERの利用を主眼とした情報収集を行う予定である。
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Research Products
(5 results)