2015 Fiscal Year Research-status Report
理工系公開学習資源を活用した高専生向け英語学習教材の開発法
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26350354
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
青山 晶子 富山高等専門学校, 一般教養科, 教授 (40231790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 太一 岐阜工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (60214558)
石貫 文子 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 准教授 (00450148)
武田 淳 仙台高等専門学校, 総合科学系文科, 教授 (60270196)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | OER / 理工系ESP / CLII |
Outline of Annual Research Achievements |
理工系のOER(公開教育資源)を英語LO(単位教材)へと再構築するために行った本年度の実績は、LOの題材と扱う文法項目および機能表現の決定とモデルLOの試作、および、OERの質保証に関する情報収集である。以下にそれぞれの概要を示す。 ①内容(題材)の決定:信頼できる海外の配信元による公開教育資源(OER)や、近年、注目を集め始めたCLII(Content Language Integrated Instruction)のテキストを調査し、日本の中学校で使用されている理科の教科書との比較し、中学レベルの数学、物理、化学、生物、地学の5つの分野から20タイトル(各タイトルは3~5のサブタイトルからなる)を決定した。 ②文法項目・言語機能:多くの高専の1、2年次で使用されている検定教科書と、高校生向けの文法参考書の分析を行い、高専の高学年や専攻科生が論文執筆の際に必要となる文法や表現を中心に項目を決定した。 ③モデルLOの試作:①の題材の中に②の項目を探し出し、解説と練習問題を作成した。学習者がつまずきやすいとされる文法項目や機能表現が、高専生にとって親和性の高い理数系の文脈で導入することにより、日本語訳にとらわれることなく、高専生の英語運用目的に適った教材を作成した。例としては、図形やグラフ説明や数式の条件を表す文脈で多用される関係代名詞や関係副詞、化学実験の記述中の分詞構文、天体や地学の記述に使われる仮定法などが挙げられる。 ④OERの質保証に関する情報収集:学術提携先のハワイ大学のカウアイコミュニティカレッジ(KCC)を訪問し、教務担当副学長から、講義のオンラインオープン化が加速する中、オープンエデュケーションの認証評価について、米国西部の全ての大学が適用を受けるWASCの4つの規準について、具体的な事例を交えた情報提供を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分担者を1名増員したこともあり、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の研究は、以下の3点を中心に行う。 ①決定した題材と文法項目に基づくLOの充実:2年間でほぼ確立できた理工系OERを英語LOへと再構築する手法に従い、未完成のテーマについてLOを完成させる。また、達度評価の基準を明示するルーブリックの作成し、それに沿った練習問題を充実させる。 ②LOの評価と改善:教員が作成したLOを授業で使用し、学生による評価をもとに改善する。 ③学習者によるLOの作成:教員が作成したLOをサンプルとし、理工系専門分野のOERやOA(オープンアクセス)論文等を素材とするオリジナルのLOを作成する。 ④素材となる理工系専門分野のOREや研究者によるセルフアーカイビング、OAジャーナルの閲覧方法、および、オープンエデュケーションの質保証についての情報を収集する。
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Causes of Carryover |
難民問題による治安への懸念から、情報収集のために訪問予定であった欧州の学術協定締結先の教育機関への出張を見送ったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、LO充実のための分担者との打ち合わせ、学会発表(全国高等専門学校英語教育学会および国立高等専門学校機構教育フォーラム等)、およひオープンデュケーションの質保証に関する情報収集のための出張旅費、および、学生が使用するコンピュータの購入に使用する計画である。
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Research Products
(6 results)