2014 Fiscal Year Research-status Report
近世城下町の資源利用と文化・流通に関する動物考古学および同位体考古学的研究
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26350376
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
石丸 恵利子 広島大学, 総合博物館, 研究員 (50510286)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 考古学 / 動物資源 / 同位体分析 / 近世城下町 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遺跡から出土する動物遺存体の観察、当時の絵図や文献の情報、同位体分析などの理化学的な手法を用いた複合的な考察から、近世城下町での動物資源利用の様相、文化や技術の発達やものの流通の特徴を抽出し、地方近世城下町の人びとの具体的な暮らしぶりを明らかにすることである。
本年度は、分析対象とした主な遺跡である松江城下町遺跡（島根県）の資料調査を中心に取り組んだ。出土動物相については、これまでの報告書ですでに明らかにされていることから、それらの資料のなかからイヌおよびウシ資料に注目し、各資料を詳細に観察して必要な部分については計測を行った。その結果、大型の個体から小型のものまで、多様な大きさのイヌが存在したことが明らかとなった。ウシについては、これまで大坂城下町跡や堺環濠都市遺跡（いずれも大阪府）などで出土している加工のある角芯や切断された四肢骨と同様の資料が、松江城下町遺跡からも複数出土しており、これらの詳細な観察を行った。
また、イヌ資料の大きさを比較するうえでの基礎データとして、縄文時代の遺跡から出土したイヌ資料の計測調査もおこなった。
その他の関連遺跡の資料調査や同位体分析の実施については、今後の計画について関係者との打ち合わせをおこない、一部の資料において炭素・窒素同位体分析を実施した。
さらに、今年度、良好な出土資料が確認された徳島城下町遺跡（徳島県）の資料整理に関わる機会を得たため、今後、徳島城下町関連遺跡の資料を新たに分析対象に加え、中国四国地方の近世城下町での動物資源利用について総合的な考察を行うこととする。
なお、松江城下町遺跡の調査で得られた成果の一部については、徳島県立埋蔵文化財総合センターで行われた公開講座の中で紹介した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を開始するにあたり所属の移動があり、研究体制を見直す必要があった。そのため、資料調査が当初の計画通り進まなかった点と同位体分析の前処理を自ら行えなかった点が、研究が遅れている理由である。
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| Strategy for Future Research Activity |
必要な遺跡資料の調査を効率よく進め、同位体分析については、研究分担者に協力を仰ぎ、前処理を含めた形で依頼することで、多くの資料で結果をだせるよう計画的に進める。
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| Causes of Carryover |
所属の移動にともない、資料調査のための出張が予定通り実施できなかったこと、また、理化学分析の前処理補助と資料整理の適任者の確保ができなかったことから、予定していた金額を使用することができなかった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
資料調査の回数を増やしてデータ収集を進める。資料調査の際のデータの精度を上げるためには、やはり現生標本が必要であることから、不足していた標本を入手するために予算を使用する。
また、分析前処理の適任者の確保を早急に行うことでこれまでの遅れを取り戻し、研究分担者への分析依頼数も増やして対応する。
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