2017 Fiscal Year Annual Research Report
On fundamental research to realize the policy of cultural property in collaboration between government and citizen
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26350378
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
馬場 憲一 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (60328903)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文化財政策 / 文化財 / 文化遺産 / 文化財支援団体 / NPO法人 / 市民協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、市民協働の文化財政策の実現のために重要な研究課題となっているNPO等の文化財支援団体の実態を究明し、英国等との比較研究を通して、市民との協働による文化財政策の可能性とそのあり方を探ることを目的とする。 最終年度である平成29年度は、これまで3ヵ年計画で取り組んできた研究で収集したすべての資料を整理・分析し、本研究のテーマである「NPO等との市民協働による文化財政策実現のための基礎的研究」を総括し研究のまとめを行った。 平成26~29年度の補助事業期間全体では、以下のような研究を実施した。平成26年度は、(1)本研究の調査対象とすべきNPO法人の文化財支援団体を選定し、(2)選定した文化財支援団体へのアンケート調査票を作成し、調査を実施した。平成27年度は、(1)前年度に実施したアンケート調査からNPO法人の認証を受けて活動している文化財支援団体の実態分析を行い、(2) イギリス、フランス、ベルギーを訪れ、当該地における文化財の状況とそれら文化財の保存にあたっている団体の調査を行った。平成28年度は、イギリスを訪れ、当該地の文化財の状況とそこを運営している文化財支援団体の調査と関連資料の収集を行い現状把握に努めた。 本研究を通して、日本における文化財支援団体が極めて脆弱な財政基盤の上に成り立っている組織で、当該文化財への関わり方に継続性という点で多くの課題を抱えていることを明らかにすることができた。このため、今後、日本における市民協働による文化財政策を考えていく場合、文化財支援団体の運営面での課題などについて、先進的な取り組みがなされている英国等の事例を参考にしながら検討していく必要があることを提示することができた。
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