2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of disaster prevention system on the world heritage site which form is "road"
Project/Area Number |
26350380
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
石田 優子 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 研究員 (50710612)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 将光 立命館大学, 理工学部, 助教 (60511508)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 文化遺産 / 防災情報 / 斜面崩壊 / ハザード評価 / 観光 / 降雨特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界に2例しかない「道」という形態の世界遺産について、有効な防災手法の提案を目指すものである。 平成28年度は、近年増加している国内外からの観光客に対して、自主的な安全確保を促すための情報提供を目的とし、熊野那智大社の協力を得て「観光客の情報ニーズアンケート調査」の実施、その結果を踏まえた「観光防災マップ(案)伊勢路横垣峠」の作成、地元自治体である御浜町の協力を得て「マップの有効性検証アンケート」を実施した。その際に、現地踏査に基づいて緊急時(例えば南海トラフ地震発生等)の一時避難場所、避難ルートを設定し、マップに搭載した。アンケート調査では、44.1%の観光客は災害に遭う可能性を考えていたが(n=354)、何らかの備えをした人はそのうち17.3%であった。全体の12.7%の観光客は、安全に観光するためにどのような準備をすれば分からないので準備をしなかったと回答し、その回答者を含めて全体の74.3%が必要な準備が何か分かったらこれから準備をすると回答した。その他観光客が必要な情報や、利用しやすい公開方法についてデータを収集し、マップの作成と公開に反映させた。公開準備は約50%完了した。 また、土砂災害発生危険度評価については、基準データとする雨量の計測方法に関し、樹冠通過雨量と開空度との相関について、開空度算出の範囲を標準の90度から狭くするほど相関性は向上し、30度に変更させることで係数比で平均0.082向上することを明らかにした。さらに斜面安定性評価への地下水位利用について、多点計測での降雨応答特性、変動特性の違いについて、標高、地質構造の観点から整理した。土壌雨量指数と地下水位の相関ではピーク時にタイムラグが生じるものの、降雨規模が大きくなるほどタイムラグが減少し、土壌雨量指数を地下水位上昇の代替評価指標として利用できる可能性を明らかにした。
|
Research Products
(4 results)