2017 Fiscal Year Annual Research Report
Systematical study of lacquer technology in East Asia
Project/Area Number |
26350381
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
岡田 文男 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (60298742)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 犀皮 / 金海大成洞88号墳 / 咸安末伊山古墳群25・26号墳 / 志段味大塚古墳 / 安福寺漆棺 / 國華 |
Outline of Annual Research Achievements |
「東アジアにおける漆工技術の系統的研究」を課題とした過去3年間の研究では日本国内ならびに韓国において考古資料を中心に漆製品の材質技法調査を進めてきた。29年度は中国に赴き、考古資料を中心とした漆工品調査を行った。かつて根津美術館で開催された『宋元の美』において展示された犀皮天目台が現在、香港在中のコレクターのもとに収まったことから、6月に香港に赴き、現地で同器の目視による調査を行った。結果を國華に報告した(平成30年5月刊)。ついで、8月に上海で行われた「東アジア文化遺産保存学会」に参加して近年の中国における漆工品研究の現状調査を行い、会議後に西安市まで足を延ばし、漆工品調査を行った。11月に湖北省荊州市で行われた「出土木漆器科学技術保護学術検討会」(参加者140人、日本人は1人)において「クリミア半島出土漢代漆器の保存処理」と題する発表を行った。さらに平成30年3月に西安市に赴き、西北大学、西北工業大学、西安科技大学において文化遺産保護研究を専攻する教員、学生を対象として「クリミア半島出土漢代漆器の保存処理」と題する講演を行った。韓国との共同研究では咸安末伊山第25・26号墳出土漆製品の材質調査の結果を報告(学術調査報告96冊、2018)、韓国保存科学雑誌に金海大成洞88号墳出土刀剣の鞘の特徴(第34巻、No1.51-57頁、2018)を発表した。 日本では11月に京都工芸繊維大学で開催された漆工史学会において「犀皮の概念規定の再検討」と題する口頭発表を行った。考古資料については『志段味古墳群Ⅲ』(埋蔵文化財調査報告書77、名古屋市教育委員)に「馬具に関する有機質素材の分析」を報告した。さらに、NHK歴史秘話ヒストリア「聖徳太子の棺」(10月13日)に出演し、大阪府柏原市に所在する安福寺に伝わる漆棺の断面構造をもとに同棺の制作技法について解説した。
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Research Products
(13 results)