2014 Fiscal Year Research-status Report
極微小資料の光学顕微鏡撮影による3次元デジタルアーカイブ化に関する研究
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26350388
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
野村 正弘 駿河台大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (30469879)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微小資料 / 3次元 / デジタルアーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では複数枚、同一資料を撮影した静止画から3D情報を構成することを目指すため、まず、資料の撮影が正確にできなくてならない。対象が、実体顕微鏡で観察するサイズの微小資料となるため、通常の顕微鏡ステージでは作業が不可能である。そこで、顕微鏡ステージの改良を行った。最終的には研究や教育現場に適用することも考えているので、できるだけ特殊化した装置の使用および高額な費用負担は避けることを考慮し、行った。既存製品の改良にとどめ、資料を傾斜や回転させて撮影可能な安価な改良が終了した。同時に、同ステージに対応し、自在な方向から3灯で照明可能なLED照明装置も、既存製品の改良で作成している。 平行して、撮影データから3D情報を生成するプログラムの検討も行った。これも、特殊化したものではなく、既存のソフトウエアの適用や改良で行った。極微小資料で検討を行う前段階として、大型資料の写真でその性能と結果を検討しつつ、今後の進め方を探った。その結果、3D情報を生成できることは確認でき、その精度がどのレベルまで引き上げられるか、検討を続けている。 さらに、顕微鏡下での極微小資料(現生有孔虫の殻)の撮影テストも行っている。この作業では、倍率が高くなる接近撮影において被写体の輪郭部に紫色と黄色のにじみ(倍率色収差)が出ることが判明した。このにじみは3D化において支障のある現象で、照明装置や顕微鏡レンズ、撮影条件、照明条件などを変更しつつ、除去または低減する方法を探っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
撮影用の機器については予定通り、改良がすんでいる。大型サンプル撮影による3次元化については、目処がつきつつあり、精度向上の検討が進められる。一方、顕微鏡下で撮影した資料写真の色収差が、うまく除去できず検討をしているため、進捗状況はやや遅れぎみである。
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Strategy for Future Research Activity |
倍率色収差の除去という問題に直面しており、除去できない場合はどのレベルの低減でデータ化していくか、早急に検討をし結論を出さなければならない。この問題がクリアできれば、データ化が進み、予定通りデータベース化および公開コンテンツの作成へと進行できる。関係情報を収集しつつ、連携研究者および研究協力者との議論を重ねて進めて行く。
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Causes of Carryover |
顕微鏡撮影での問題点クリアのために時間を要したので、アルバイトを雇ってデータ整理を進める段階がほとんど進められなかった。このアルバイト賃金および消耗品費が残額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
問題点を早急に解決し、予定通りアルバイトの賃金および消耗品費として支出する予定である。
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