2014 Fiscal Year Research-status Report
身体動作を伴う伝統芸能のアーカイブ化と博物館展示支援
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26350390
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
曽我 麻佐子 龍谷大学, 理工学部, 講師 (40388161)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 身体動作 / 展示支援 / インタラクション / 博物館 / CG / アーカイブ / ジェスチャ / アニメーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、身体動作を伴う伝統芸能のアーカイブ化および博物館における展示支援を目的とし、初年度は、練り供養の4K映像アーカイブ化、身体動作による入力インタフェースの検討、映像コンテンツ制作による博物館の展示支援を行った。 1.身体動作を伴う伝統芸能のマルチメディアアーカイブ化として、5月に行われた當麻寺の練り供養の4K映像を撮影した。特に前年度に撮影が困難であった娑婆堂での所作を中心に収録し、既に撮影済みの映像と合わせて練り供養を紹介する映像を制作した。身体動作の計測については、モーションキャプチャソフトウェアを購入し、動きが速い動作の計測や複数人のアクターによる計測などを試みた。 2.身体動作による入力インタフェースとして、Kinectを用いたジェスチャ認識手法について検討した。さらに、これまでに開発した仮想試着システムや群舞シミュレーションシステムを応用し、モーションデータ検索システムと3D空間ウォークスルーシステムを試作した。モーションデータ検索システムは、入力した人体姿勢からモーションデータを直感的に検索し、他のメニューなども全てジェスチャで操作できるように実現した。また、3D空間ウォークスルーシステムは、両腕を開くジェスチャで3D空間の襖を開けるなど、わかりやすいジェスチャに対応したインタラクションを実現した。 3.博物館における展示支援として、寺院の襖のCG再現を行い、龍谷ミュージアムの特別展におけるパネル展示およびシアター映像の一部として実際に使用した。現在の襖の配置や大きさの記録および襖絵の静止画撮影を行い、学芸員や専門家の意見を参考に過去の襖の配置を再現し、4K解像度によるCGアニメーションを制作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
博物館展示支援として、寺院の襖の配置をCGで再現した映像を制作し、実際の博物館のシアターで上映するなど、当初の計画を前倒しして実施している。一方、身体動作のアーカイブについては、モーションキャプチャソフトウェアを購入し、カメラを借用することで身体動作計測を試みたが、本格的な計測まではできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
練り供養の映像アーカイブ構築、Kinectによる身体動作の入力手法の検討については、現在までにほぼ完了している。 今後は、身体動作のアーカイブ化を進めるため、様々な身体動作についてモーションキャプチャを実施する。さらに、過去に計測したモーションデータの編集を行い、アーカイブを充実させる。 博物館展示支援については、実際の展観スケジュールや展観内容に合わせて展示支援の内容を検討していく。展観内容によっては、身体動作アーカイブが活用できない場合もあるが、CGやインタラクティブ技術を用いて柔軟に対応し、従来展示に合わせて来館者が体験できるシステムの開発を目指す。
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Causes of Carryover |
予算の削減に伴い、モーションキャプチャシステムの購入がソフトウェアのみとなり、本格的な身体動作計測の準備が間に合わなかったため、主に謝礼が余った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度にミュージアムの展示支援を目的とした体験プログラムを実施する可能性が出てきたため、体験プログラムに必要な物品の購入やスタッフの謝礼に使用する。モーションキャプチャによる身体動作計測は、購入できなかったカメラを借用して実施する。
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