2014 Fiscal Year Research-status Report
ジオパークを拠点とする市民参加型の地質データの収集とその応用
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26350392
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
奥村 勝 福岡大学, 総合情報処理センター, 准教授 (30309893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 直之 福岡大学, 工学部, 教授 (60227478)
鳥井 真之 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (40711908)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ジオパーク / モバイル / AR / 地質データ / 市民参加 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はジオパークの訪問者に、付加価値の高いジオパーク体験の機会を提供すると同時に、手軽に地質データの収集に協力できる仕組みを提供することで、ジオパークにおける教育や保全活動を支援することを目的としている。 1:モバイルアプリケーションのヒアリング及び開発(奥村、鳥井、高橋)阿蘇ならびに島原半島ジオパークを訪問し、研究計画の詳細な説明と開発を行うモバイル向けガイドアプリケーションの要件定義に必要なヒアリング作業を実施した。これによりジオパークが訪問者の支援に必要な課題を把握し、これらを改善する具体的な機能の選定を行った。この要件定義に基づき、Android向けガイドアプリケーションの試作開発を実施した。 2:拡張現実感システムの開発(鶴田)効果的なガイド機能を実現するために、人為的なマーカではなく風景そのものをマーカとして利用する拡張現実感システムを構築した。従来の手法では、ジオパークのような自然の風景では人工的な風景に比べ、カメラの位置姿勢推定に用いる特徴点の過検出による動作の不安定さが問題であった。そこで、特徴点の数を抑制する手法と情報端末の各種センサーを利用して位置姿勢の推定範囲を限定する手法とを提案し、実験により、従来よりも正しい推定が行えることを示した。 3:情報連携システムの構築(奥村)ガイドアプリケーションに組み込む地質データ収集機能と連携するデータ保存用データベースと、訪問者向けのガイド情報を提供するデータベースからなる情報連携ステムの構築した。 上記の1、3より、モバイル向けガイドアプリケーションの試作版を開発し、別途構築した情報連携システムと組み合わせることで実際に各基本機能の動作確認を行った。また、2の技術開発により付加価値の高いジオパーク体験に向けた機能の実現性が高まった。これらの実績より、本研究計画で想定していた技術的枠組みが実現可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の予定にほぼ沿って実施しており、概ね順調に進展している。研究協力機関からの協力が得られたこと、システム全体の構築に必要となる要素技術の実現が順調に進んだことを受け、当初の計画通りの進捗となった。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度のガイドアプリケーションの試作版開発において、当初想定していた機能の実現性が確認できたため、今年度はジオパーク現地での実地検証に向けて、ガイドアプリケーションならびに連携する情報連携システムの改良を行う予定である。また、仮想現実感システムもアルゴリズムの改良が進んでおり、今後モバイル端末で実行できるよう改良を行う。また、3年目に予定していたiOS向けのガイドアプリケーションの開発を先行して着手することで幅広い訪問者へのサポートを実現したい。
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Causes of Carryover |
物品費については、ラックマウントサーバなどの購入価格が当初予定額を下回ったため使用予定額を下回った。また、旅費については日程の関係で、打ち合わせ出張へ同行できないなどの理由により予定額を下回った。結果として、初年度平成26年度に予定していた執行額を下回り次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究2年目となるH27年度には、開発したガイドアプリケーションのジオパークでの実地検証を予定している。検証用端末が屋外での利用を想定した機種となるため、機器費用が当初予定額より上回るため、次年度使用額はこれらの機器購入費用としたい。また、同じく実施検証のための出張費用として使用する予定である。
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