2015 Fiscal Year Research-status Report
博物館体験を共有するパーソナル・ポートフォリオ学習の実践
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26350395
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部企画普及課, 主任学芸員 (70300960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 光春 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (40260343)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 展示見学 / 博物館体験 / 写真撮影 / ドキュメンテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、博物館体験という視点に立脚し、来館者自身による展示室での「デジタル写真記録」が展示室での体験を省察するためのよい手法・ツールになることを明らかにする。また、このツールを活かした学習プログラムを開発し、学校団体等による展示見学活動に新たな視点をあたえることを目的としている。また、来館者自身が博物館体験コンテキストを把握・認識することが学びになるという仮説を立て、実践的に検証を行う。そのために、来館者の展示見学における博物館コンテキストを認識するツールの開発・構築と、そのツールを活かした学習の開発をすすめる。 研究2年目となる平成27年度は、小学生、中学生、大学生、教員を対象に、デジタルカメラを用いた記録を併せた展示体験のポートフォリオづくりの試行を重点的にすすめた。具体的には、生命の星・地球博物館の地球展示室および生命展示室での見学を基に、親子向け講座の実施、校外学習での中学生による展示見学ポートフォリオ作成、博物館実習における学生による展示見学、教員向け講座の実施などを行った。従来の展示見学実習を派生させ、外部協力により児童・生徒・学生によって展示見学ポートフォリオ作成を試行できたことは多様な実践パターンの把握につながった。10名程度を対象とした3時間の展示体験学習プログラムとして、デジタルカメラ記録法&展示見学ポートフォリオづくりの実践が可能なレベルとなっている。また、展示学習をより主体的なものとするために、見学者自身による「問い」と「気づき」の認識と、その支援方法を課題としている。方策のひとつとして展示室での来館者の言葉(つぶやき)に注目し、展示室での参与観察を試行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
展示室での「デジタル写真記録」の試行、検証は、共同研究者と協議しながら、児童・生徒、さらには教員による試行などの機会を得て、順調にすすんでいる。展示室でのデジカメ記録、写真プリント、写真ドキュメンテーション、ポートフォリオ作成までの手順についてプログラを確立できたが、多人数を対象とする場合の方策は未着手である。ひきつづき、写真ドキュメンテーションの読み解きや展示室体験を省察させる手立てについて、展示と見学者の「問い」と「気づき」を基に、開発・検討をすすめ、展示見学ポートフォリオ学習のプログラムとする必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果をふまえ、展示室での個々の博物館体験を基にした学習プログラムの開発・検討を行う。ひきつづき、博物館主催の講座として教員向け実践講座をすすめる予定である。また、学校団体による展示学習をふまえて、1クラス(40人)で実戦可能な学習プログラムの開発として、利用機器の検討、指導プログラムの検討などの検討をすすめる。あわせて、学校現場の先生方との試行をすすめる予定である。
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Causes of Carryover |
デジタルカメラ記録法の実践のための機器類(とくにデジタルカメラ)の追加調達を予定していたが、1クラス40名分など一括大量購入は避けることにした。児童・生徒の使用をふまえての機種選定が望ましいとの判断からである。 また、研究協力者による関連他領域学術大会へ参加の機会を、次年度に引き継いだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
多人数の児童・生徒数に対応できるようにデジタル機器の調達をすすめるほか、他領域の学会大会参加など、研究協力者との情報収集をすすめる。
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[Presentation] 恐竜のしっぽを体験する2015
Author(s)
大島光春・田口公則
Organizer
日本地質学会第122年学術大会(長野大会)
Place of Presentation
信州大学長野(工学)キャンパス
Year and Date
2015-09-10 – 2015-09-10
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