2014 Fiscal Year Research-status Report
マイクロジオデータを用いた観光行動モデルの構築とシミュレーション分析
Project/Area Number |
26350398
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
深田 秀実 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (40547866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 雄一 北海道大学, 文学研究科, 教授 (90250399)
川村 真也 北海道大学, 文学研究科, 博士専門研究員 (20706775)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 観光行動 / 観光情報 / エージェント / シミュレーション / 行動モデル / GPS / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,観光情報と観光行動の関係に着目し,事前の観光情報や目的地で得た関連情報などにより,「観光行動がどのような影響を受けるか」をシミュレーション分析によって明らかにすることを最終的な目的とする.このうち,平成26年度は,観光行動やマルチ・エージェント・シミュレーション(MAS)に関する先行研究の整理と観光行動モデルを構築するために必要となる実観光者の行動データを取得することを目的として,以下の3項目を実施した.なお,実観光者に関する調査フィールドは,日本有数の観光地である北海道小樽市の小樽運河周辺エリアとした. 1.文献レビュー:観光行動モデル,およびマルチ・エージェント・シミュレーション(MAS)分析に関する文献収集を行って先行研究を整理し,本研究の方法論を検討した. 2.フィールド調査:小樽運河周辺を中心とした観光エリアの現地調査を行った.また,別途,20歳前後の若者層に対してアンケート調査を実施し,AHP (Analytic Hierarchy Process:階層分析法)を用いて,観光地としての小樽運河周辺エリアの地域特性を分析した. 3.観光行動データ取得のための調査:調査に協力して頂いた観光者に小型GPS端末を貸与し,小樽運河周辺エリアにおける歩行観光時のGPSログデータを収集した.合わせて,同観光者にビデオカメラを携帯してもらい,小樽観光の様子を撮影して頂いた.この観光行動の映像を分析し,観光情報を得た際の観光施設選択における意思決定要因などを分析した. 以上のように,本年度は小樽市を訪れた観光者の協力を得て,観光行動の意思決定モデル構築へ向けた歩行観光行動データを収集し,分析を行った.また,小樽運河周辺エリアに関するフィールド調査などを行って,観光地としての地域特性を考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では,以下の3項目に関して,おおよそ順調に行うことができた.すなわち,(1)文献レビューは,先行研究に関する文献収集をほぼ終了している.また,(2)フィールド調査は,調査対象とする小樽運河周辺エリアの地域特性を分析し,論文としてまとめた.(3)観光行動データ取得のための調査に関しては,複数の観光者の協力を得て,実際の歩行観光行動データを取得することができた. 以上のように,平成26年度の作業はおおむね終了し,次年度以降に向けた準備を進めていることから,上記の評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,前年度に観光者の了解を得て収集した歩行観光行動GPSログデータを,GISを用いて,カーネル密度推定などの方法により可視化分析を実施する.また,同じく前年度に取得した歩行観光者の映像データの分析結果などを用いて,観光行動の意思決定モデルの構築を進める. なお,平成26年度に予定していた観光情報システムの追加機能開発に関しては,本研究費をより効果的に執行する観点から,より有用な機能(観光者に対して,着地の観光情報をプッシュ型で通知できる機能)を使用することが可能なクラウドシステムを利用することに変更した.この変更への対応として,平成27年度は,同クラウドシステムの仕様等の確認を行い,スマートフォンなどの携帯端末を用いて,追加の観光行動データ取得に向けた取り組みを実施する予定である.
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた観光情報システムの追加機能開発について,より効果的な研究費執行の観点から,同程度に有用な機能(観光者に対して,着地の観光情報をプッシュ型で通知できる機能)の使用が可能なクラウドシステムを利用することに変更したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に利用予定のクラウドシステムについて,その仕様を確認し,必要とする機能のシステム利用料として使用する予定である.
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Research Products
(9 results)