2014 Fiscal Year Research-status Report
写真測量を導入した慣性測量の測位精度向上に関する研究
Project/Area Number |
26350402
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
小泉 俊雄 千葉工業大学, 工学部, 教授 (10083883)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 慣性測量 / 写真測量 / 測位 / カルマンフィルター |
Outline of Annual Research Achievements |
1、慣性装置にカメラを搭載した手持ち式の慣性測量装置の作製:慣性装置にデジタルカメラを搭載し、カメラのシャッターの信号が瞬時に慣性装置に入力できるように同期をとる装置を製作した。装置は手持ち式と肩掛け式とした。 2、実験およびプログラム開発:実験は、実験室内に設置した位置が既知のターゲットを連続移動撮影する。撮影位置をA,B,C,・・Zとする。AからZの位置は慣性測量装置でも算出するが、カメラからも算出する。カメラから算出したものを外部標定要素と呼ぶ。外部標定要素を慣性測量装置のカルマンフィルターの外部情報として取り込み、慣性測量装置による測位誤差を補正するものである。解析にあたり補正プログラムを開発した。実験の結果、慣性装置のみに比べ、測位精度が向上し、本手法が有効であることを確認した。 3、ステレオマッチング手法の開発:カメラの外部標定要素を算出するために、ステレオ画像上でのステレオマッチングを早く精度良く行うことが望ましい。本年度は、閉合消去法を考案した。この方法は、撮影場所の異なる3枚の重複画像を利用し、トラバース測量の閉合誤差の調整法をヒントにしたものである。本手法を用いることにより、ステレオマッチングの精度が向上することを確認した。また、これとは別に、SfMという手法を用いて、カメラの外部標定要素を算出するための画像の明るさや、撮影間隔、基準点の与え方等について検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通りであるが、いくつか問題点も発生した。たとえば、①カメラ画像に通行人や風で揺れた樹木等が多く写ることや、撮影中に天候が急変すると、隣り合う画像の間のマッチングがうまく行かなくなり、ステレオマッチングされた点の数が少なくなる。これにより、カメラの外部標定要素の値の精度が低下する。通行人が通り過ぎるまで待つと、それだけ慣性装置での計測時間が長くなり、測位精度が低下する。この両者の関係の解決が必要である。②基礎的資料を得るために、実験条件が正確に設定可能な実験室や大学の構内で実験を行っているが、カメラの撮影基線長と被写体までの距離(基線高度比)をいろいろに変化させる実験ができる適当な場所が少ない。実験条件が限定されていることへの対策が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の改良と屋内外の実験を行い応用面での利用例を提示する。実験は下記の事項である。 ①実験室内に設置した位置が既知のターゲットを連続移動撮影し、ステレオマッチングの自動化プログラムを改良する。この成果を野外にて適応させ更なる改良を図る。 ②国土地理院の院内に設置されている基準点を用いて本研究で開発した手法の測位精度の確認を行う。 ③成果を基準点測量、地形測量に適応させる。 ④移動計測車両システムに適応させ、移動計測車両の測位精度向上についての実験を行う。ただし台車を用いての実験段階である。先ずは千葉工業大学の校内で行う。
|
Causes of Carryover |
①慣性測量装置のジャンクションボックスが49万円と安価にすんだことと、慣性装置とカメラ架台が既存の物を改良したために、安価ですんだ。 ②測量器材点検調整費の支出がなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
①慣性測量装置とGPSとの同期を取るようにする装置の製作の追加と、架台を作り直し、台車や車両に搭載可能なものにするために、物品費の当初予算に30万円を増加する。 ②校内では実験場所が狭すぎるので、野外での実験を増やし、そのための人件費として10万円を増加する。
|