2014 Fiscal Year Research-status Report
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26350409
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
海津 正倫 奈良大学, 文学部, 教授 (50127883)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 海岸低地 / 津波 / インド洋大津波 / 東北地方太平洋沖地震津波 / 海岸線の変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
海岸低地における自然災害は海岸低地の形成を反映した地形環境条件と密接に関わっており,海岸低地における津波の遡上や津波による被災状況,海岸線の変化などは海岸低地毎の多様性や低地内における地域差などと深く関連している.このような海岸低地の地形環境と津波の流動や地形変化を詳細に把握・検討することにより,低地の地形環境と津波の挙動や被害との関係を明らかにすることができ,海岸低地の津波に対する場所的脆弱性を解明することが可能である.このような観点から,2011年東北地方太平洋沖地震に伴う仙台平野および石巻平野における津波の挙動と地形環境について被災直後の空中写真判読にもとづいて検討を進め,沖積低地上における遡上波と引き波(戻り流れ)を区別する形で把握するとともに,海岸地形の変化を把握した.また,2004年インド洋大津波による海岸地形の変化をスマトラ島北西部の海岸平野について高解像度衛星画像およびALOS全世界デジタル3D地形データにもとづいて検討し,一部で著しい地形変化が起こったことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26度においては東北地方太平洋沖地震による津波の挙動を被災直後の空中写真判読にもとづいて仙台平野および石巻平野を対象地域として沖積低地上における遡上波と引き波(戻り流れ)を区別する形で把握し,低地における遡上波と引き波(戻り流れ)を区別する形で把握し,GIS上で表示するとともに海岸地形の変化を把握した.また,2004年のインド洋大津波によって大きな被害を受けたにもかかわらず,これまであまり検討されていないスマトラ島北西部について,津波の浸水域および海岸平野の地形変化を高解像度衛星画像およびALOS全世界デジタル3D地形データにもとづいて検討し,一部で著しい地形変化が起こったことを確認したが,現地調査が不十分であった.
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度では対仙台平野および石巻平野に重点を置いて作業を進めたが,今後は対象地域の範囲を広げてさまざまな沖積低地における地形環境と津波の流動や海岸地形の変化,さらに被害状況との関係について把握すると共に,GIS上で表示するなどして検討を進める予定である.また,2004年のインド洋大津波によって大きな被害を受けたスマトラ島北西部の地形環境と津波の遡上に加えて同じく津波の被害を受けたタイ南部のアンダマン海沿岸地域において現地調査をおこない,その後の海岸平野の地形変化について高解像度衛星画像およびALOS全世界デジタル3D地形データ等を使用して検討したいと考えている.
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Causes of Carryover |
インドネシアでの調査をおこなう予定であったが,日程的に不可能となり,次年度に繰り越すこととなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度では海外調査をおこなう予定である.
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