2014 Fiscal Year Research-status Report
アジア域内における陸路輸送を中心とした国際物流ネットワークの最適化に関する研究
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26350420
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
渡部 大輔 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (30435771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 隆太 東京理科大学, 理工学部, 講師 (50401138)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 物流ネットワーク / 輸送ルート選択 / 物流施設配置 / 地理情報システム / 時系列統計解析 / データベース / 輸送品質 / アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,アジア域内を対象とした陸路輸送を中心とした国際物流ネットワークの現状把握,データベースを構築した上で,輸送品質を考慮した最適輸送ルート選択モデル,物流ハブ最適配置モデルを用いて国際物流ネットワークの最適化を行うことを目的とする.今年度は,下記のような研究を行った. ・アジア域内における物流ネットワークの現地調査及びデータ収集:アジア域内における物流ネットワークを構成する主要な港湾,空港,道路について,関連機関を訪問し,国際・国内物流の現状と課題について現地ヒアリング調査及び物流ネットワークに関する統計データの入手を行った. ・トラック実走による輸送品質データベースの構築:現地調査及びデータ収集を踏まえて,荷主企業及び損害保険会社の協力により,アジア域内の主要区間におけるトラック実走により,振動・衝撃・圧縮,温度・湿度といった輸送品質に関するデータを収集した. ・物流ネットワークデータベースの構築:現地調査及びデータ収集を踏まえて,地理情報システムを用いて主要港湾,空港から主要都市間の陸路輸送ルートについてネットワークデータを構築する.道路については,国際連合により整備されているアジアハイウェイデータベースを元に,道路規格や路面状況といったデータ項目についてネットワークデータを構築した. ・数理モデルのプロトタイプの構築:次年度に開発予定である時系列統計解析による輸送品質の評価モデル及び輸送品質を考慮した最適輸送ネットワーク解析モデルについて,プロトタイプを構築し,小規模データによる計算時間や実行可能性の評価を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の予定通りに進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
・時系列統計解析による輸送品質の評価モデル:平成26年度に構築したトラック実走による輸送品質データベースに対して,主に輸送中に貨物にかかる振動・衝撃について,時系列データと見なすことでファイナンス理論に基づく統計解析を行なうモデルを開発する. ・輸送品質を考慮した最適輸送ネットワーク解析モデルの開発:平成26年度に構築した物流ネットワークに対して,輸送中に貨物にかかる振動・衝撃・圧縮,温度・湿度といった輸送品質に関する変数により各ルートの輸送コストを数値化することで,最短経路問題を元に輸送コストを最小となる最適輸送ルートを求めるネットワーク解析モデルを構築する. ・数理モデルのプロトタイプの構築:次年度に開発予定である内陸部における物流ハブ施設配置モデルの開発について,プロトタイプを構築し,小規模データによる計算時間や実行可能性の評価を行なう.
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Causes of Carryover |
数理モデルのプロトタイプの構築において、既存の計算機環境を使用し、購入を必要としなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
時系列統計解析による輸送品質の評価モデルにおいて、開発用の計算機を購入する予定である。
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