2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of a firm's behavior in dynamic and stochastic models
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26350424
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西原 理 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (20456940)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ファイナンス / 金融工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、動学的・確率的モデルによって、将来期間にわたる時間軸や不確実性を考慮したうえで、企業活動のメカニズムを分析してきた。最終年度では、①負債発行と拡張投資、②設備縮小とデフォルト、③新規上場と企業売却について、新規的な動学的・確率的モデルを構築して分析を行うことにより、多くの成果を得た。 ①負債発行と拡張投資: Jeon, Nishihara (Financial Review,2016)では、部分的に不可逆な投資が企業の資本構成や株式・負債価値に与える影響を明らかにした。さらに、まだジャーナルへの掲載に至っていないが、Sarkar (McMaster University) と Zhang(William Paterson University)との国際共同研究で、企業が投資のタイミングと規模を最適化する問題における既存負債の影響(debt overhang)についての分析も行った。 ②設備縮小とデフォルト: Nishihara, Shibata (Journal of Economic Dynamics & Control,2016)では、負債再編をしたうえで存続するのか、清算するのかについての企業の選択について、様々な結果を示すことができた。まだジャーナルへの掲載には至っていない研究としては、非対称情報が倒産に与える影響についての分析も行った。 ③新規上場と企業売却: Nishihara (Finance Research Letters,2017) では、リアルオプションシグナリングモデルという最新の手法で、非対称情報の下で、ベンチャー企業が新規上場と企業売却のどちらを選好するのかについて分析した。成長機会が大きい企業が、投資家へシグナリングする目的で早いタイミングで新規上場をする一方、成長機会が小さい企業が遅いタイミングで企業売却を行うという結果を示した。
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Research Products
(18 results)