2017 Fiscal Year Research-status Report
スポーツの競技現場でチーム・選手の評価に活用できる代数的な計算指標の開発
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26350434
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
廣津 信義 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90360726)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スポーツ / 競技 / チーム / 選手 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年東京五輪の開催が決定し、開催国として金メダル獲得数の倍増が期待されている。これを実現するためには、指導者へのスポーツ医科学・情報分野等による支援が必須となり、オペレーションズ・リサーチ(OR)も主要な役割を担っている。しかしながら、「スポーツのOR」研究は盛んであるものの、研究成果が競技現場で実践的に活用されるには必ずしも至っていない。本研究では、OR手法を用いて分析された結果を、現場の指導者自らが四則演算やべき乗計算という代数的な計算により算出できる評価指標に落とし込むことで、競技現場でORの研究成果を展開していく。以下、研究実施計画の項目ごとに今年度の実績の概要をまとめた。 1.評価指標の探索:昨年度から継続して、サッカー・ラグビー・陸上・柔道・体操・競泳について、従来集計されているデータ項目を整理し、具体的な評価指標の開発に努めた。本年度は、特に体操と競泳について重点的に検討を進めた。体操については、跳馬に着目し演技価値点(Dスコア)と演技精度点(Eスコア)より、予想演技点=Dスコア×成功率+(Eスコアー過去の平均失敗点数)という演技点を予測する指標を提示できた。また、競泳については、ストローク率とターンの方向の関係を検討し指標化を試みた。 2.データ収集・分析:サッカー・ラグビーについては昨年度に引き続き分析を進めている。他競技についても実データの収集と分析を並行して進めている。 3.競技現場での有用性の検証:評価指標の有用性については、サッカー・ラグビーのみならず他競技でも、現場指導者との意見交換を開始した。 4.成果まとめ・発表:研究成果を日本OR学会や日本体育学会などで口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サッカー・ラグビーについては、ほぼ計画通り、評価指標の分析が進んでいる。陸上・体操・競泳でもデータ項目の検討と実データの収集を進めつつ、評価指標の数を増やしている。柔道については実データの収集という点で、やや遅れ気味である。競技現場での有用性の検証についても、サッカー・ラグビーだけでなく、他競技でも現場指導者との意見交換が開始できている。成果についても複数の学会で口頭発表している。以上を総括して、概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
評価指標の探索については、遅れ気味の柔道に関する検討を重点的に進めていく。データの分析については継続して進めていき、実用的な評価指標として精錬していきたい。競技現場での有用性の検証についても、陸上・体操・競泳でも現場指導者との意見交換を進めていく。研究成果については、主に日本体育学会など現場指導者を対象とした国内発表を行うことで意見交換をさらに進展させていきたい。
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