2015 Fiscal Year Research-status Report
教養課程におけるマネジメント技術教育プログラムの開発に関する研究
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26350440
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 和克 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (20151318)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育プログラム / 技術マネジメント / キャリアデザイン / 教養教育 / マネジメントサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
第1年目の平成26年度では、教育プログラムの開発コンセプトに基づく教科書と授業運用マニュアルを試作し、実証講義を行った。その結果から、以下の課題が明らかになった。 ①教科書の内容が多すぎて、授業時間内に収まらない。また、講義運用をアクテイブ・ラーニングによる学習者主体の方法に発展させるために、さらなるコンテンツの絞り込みが必要である。②アクテイブ・ラーニングを実現するための方法として、反転授業を目指す。そのために、予習教材の作成とその有効性の検証法およびこれを基礎としたグループワーク課題の整備とその運営法とマニュアルの試作が必要である。③以上の試作の実施結果収集とその分析および今後の課題を明らかにする必要がある。 以上の課題を検討し、以下の成果を得た。 ①本学の建学の綱領を基礎に、これまでに学内で開発されたプロジェクト・デザイン教育およびキャリア・デザイン教育での競争優位な教育資源を活用し、教養課程(基礎課程)と専門課程の継続性を高めるための本科目の位置づけ教育目標の決定プロセスと前提条件を明らかにし、本科目の学習教育目標の再確認を行えた。②上記①の教育目標を効果的に達成するための学習項目11項目と、その学習者に対する行動目標を明らかにしたうえで、アクテイブ・ラーニング法としてプログラムに取り込むグループワークの目標と、これを達成するための各種ワークシートの設計を行い、継続的な改善を進める基礎を得た。③グループワーク主体の授業を実現するための学習者の予習を支援するためのテキスト内容の見直しおよびe-ラーニング教材(画像と音声)を試作し、一定の成果を得た。④平成26年度から平成27年度にかけての受講者の変化を以下の点で確認できた。a)総合力指標は全ての指標における向上。b)本学の行動規範であるKIT-IDEALSの実践力の変化。c)受講直後の態度変容。d)授業アンケートにおける学習者の満足度向上。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手順としては順調に進んでいるが、成果としての知見性に以下の課題が新たに見出された。 (1)学習者のPDCA実践力の変化が学習者の自己評価結果から明確に見いだせなかった。(2)協同学習によるプログラム開発を前提としてきたが、これまでの成果の公表の場を通じて、協同学習以外の学習方法の比較検討が必要であることが新たに明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)学習者のPDCA実践力の変化が見いだせなかった原因を明らかにするために、以下の検討が必要になる。①受講後調査方法(サンプル数、検出力向上のためのデータ仕様、調査の継続性など)、②グループワーク等へのPDCA実践力向上のための配慮法(フィードバックコメントへの配慮、ワークシートへの配慮など)(2)学習者の4画面作成法の理解と作成技能向上のために「ありたい姿」の描き方の参考資料の今後の指導面での活用事例の収集と効果的方法の開発。(3)マネジメント専門学科「経営情報学科」のプログラムとの差別化のためのグループワーク課題の開発とワークシートの設計。(4)テキスト内容の継続的見直し、特に、国際品質マネジメント規格の改定や知財法および国際協約等に関する改正に伴う内容の改定。(5)レポート課題、プレゼン演習およびワークシートでのルーブリック化の改善と促進。(6)予習確認作業とグループワーク課題の時間構成をグループワークにシフトし、反転授業の実質化を実現するための改善。(7)「感動と行動の振り子(感動を伴う学習は学習効率を向上する)という仮説」をプログラムに組み込むために、ポジテイブ心理学視点からのアプローチも加え、受講者に感動与えるプログラム創りに挑戦。(8)グループワーク学習を受け入れられない学習者に対するプログラム企画と開発。
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Causes of Carryover |
当初予定していた出張が、日程調整がつかず、次期に延期した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
出張先との日程調整を得て、実施予定。
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Research Products
(10 results)