2015 Fiscal Year Research-status Report
我が国における海上交通環境の功罪に関する実証的研究：イスタンブル周辺海域との比較
| Project/Area Number |
26350444
|
|---|
| Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
|---|
Principal Investigator |
瀬田 広明 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20311037)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | 海上交通工学 / Vessel Traffic Services / 海上交通環境 / AIS / VHF / イスタンブル（トルコ） |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画では，平成27年度は「海上交通流シミュレーションと操船実験による評価結果の精度向上」に関して実施する予定であった。また，イスタンブル工科大学での操船シミュレータ実験のためのシナリオ作成およびイスタンブルVTSセンターのオペレータに対して聞き取り調査のためトルコへ渡航した。それに加え，平成26年度より実施しているVHF無線電話による通信内容の解析を継続して行った。
伊良湖水道周辺およびイスタンブル海峡南側出入口付近での操船シミュレータによる操船実験およびその評価計算を重点的に行った結果，漁船の有無により操船困難度が大きく変化する傾向が見受けられた。
また，国内外のVTSオペレータにヒアリング調査した結果，国内のVTSセンターとイスタンブルのVTSセンターでは海域の管理方式が異なっており，管轄海域を一括管理する国内のVTS方式は，担当海域が広範囲となるため、VTSオペレータを複数人配置し，情報を共有しながらヒューマンエラーを防止するためのバックアップ体制がとられていた。一方のイスタンブルVTSセンターはセクター方式を採用しているため，1人で1つのセクターを担当することから対象船舶とスムーズなやり取りが行われる反面、オペレータの精神的な負担が大きいことがわかった。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の研究目的ならびに研究実績の概要に記述した通り，当初の目標を達成しつつ，その成果も学会で発表できている。平成28年度はこれらの成果を取り纏める予定である。また，「研究実績の概要」で述べたとおり，海上交通環境の分析に必要となるVHF無線電話による通信内容の解析を継続して行っていることから「おおむね順調に進展している」とした。
|
| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は，平成27年度までの結果を取り纏め，各海域における海上交通環境の功罪を検証し，海域利用者に検証結果の確認を行う予定である。併せて，過去に行った評価結果と比較（法律改正前後で比較）することで法改正の効果も検証する予定である。
|
Research Products
(2 results)
