2015 Fiscal Year Research-status Report
斜面およびのり面等における新しい光ファイバ計測システムの研究
Project/Area Number |
26350448
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 信也 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00300963)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 防災用センサ / 歪みセンサ / 光ファイバセンサ / 偏光測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では、土木・建築構造物管理の高度化のための光ファイバセンサ技術を普及レベルに押し上げるための新しい歪みセンサシステムを開発することを目的としている。構造物の歪み或いは、斜面やのり面等の崩落による歪みが光ファイバで構成されたセンサに加えられた時、ファイバ中を通るレーザ光の偏光変化を捉えて、それを歪み量に換算する全く新しいセンサを開発することである。その実現に向けてセンサの機械的な構造の設計を行い、それを用いて実際に変更の測定を行い、センサ変位に対するストークスパラメータの測定を行う。光学素子を通過する際の偏光状態の変化の理論的な計算はジョーンズ行列又はミューラー行列で行うことが出来る。実験によって得られたストークスパラメータと理論計算によって求められた値との比較を行い、その変化をセンサに加えられる変位に換算する手法を確立する。実用化に向けてセンサやプローブの設置方法等の検討を行い、可能であればフィールドテストも行うことを最終的な目標としている。 本年度は実用的に使用可能であるセンサ機械部分の作製を行いその動作検証を行った。また、複数のセンサを縦続に接続して広範囲の歪みの分布を測定することを目指し、パルス光源を使用し、その反射遅延時間によって各センサのストークスパラメータの変化を個別に測定する実験を行った。十分な遅延距離を確保することによって各センサから信号を分離でき、センサを縦続接続した多点測定の可能性を見いだした。ただし、前段のセンサの変位によって後段のセンサのストークスパラメータが影響を受けるため、現時点ではそれを相殺して2段目以降のセンサの変位を正確に測定する手法を確立する必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、本申請でにより購入したパルスレーザ光源を用いて、その反射遅延時間を利用した複数センサの測定を行い、センサを縦続接続した多点化測定における基本的な測定を行うことが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果をもとに、提案する新しいセンサを実用化する。現時点で残されている課題は、複数センサを縦続接続した際に前段のセンサの影響を後段のセンサが受けるため、その影響を取り除き,2段目以降のセンサの変位を正確に測定する手法を確立することである。理論計算によるシミュレートを正確に行い、それと比較することで上述の課題は解決可能であると考える。
|
Causes of Carryover |
本年度の成果を国際シンポジウムにおいて発表予定であったが、その成果発表内容に万全を期すためデータ測定、理論シミュレーションの見直しを行うこととしたため、未使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
その成果発表を2016年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
|
Research Products
(1 results)