2016 Fiscal Year Research-status Report
時空間的異種情報の統合・連携予測による災害時変動下の道路交通情報解析
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26350451
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
佐治 斉 静岡大学, 情報学部, 教授 (10283334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 裕之 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), 技術研究部, 大規模火災研究室長 (70358795)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 安心の社会技術 / 災害時道路交通情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに検討した手法と試作したソフトウェアシステムを用いて、総合実験を行った。上空映像として、東日本大震災時に6箇所で撮影された5km×5kmの範囲の低解像度の衛星画像(SAR画像、筋赤外線画像、RGB画像)を用い、プローブカーデータと統合して、道路区間ごとの通行可否の判定を行った。実際の処理においては、色補正やノイズ除去等の前処理、水領域と植生領域の抽出、エッジ抽出、抽出されたエッジの長さや角度の解析等の多くの画像処理手法を適用した。目視により求められた各道路区間の通行可否情報と比較した結果、検出率は約81%、誤検出率は約19%となった。また、1つの画像の処理にかかる時間は約45秒であった。同様な衛星画像を用いた既存研究では、処理時間が分単位を超え、また検出精度も70~80%であり、本研究の手法の方が、より短い処理時間でより高い検出精度が実現できることがわかった。次に、これまでの検討と試作を踏まえ、実社会で応用可能なシステム作成の方向性を検討した。実験で活用した衛星画像は、衛星の軌道や天候により撮影日時が限定され、災害直後に容易に入手できるものではない。そのため、実際の災害時直後に情報を入手し災害救助活動等に活用することは難しいことが推測された。以上を踏まえ、衛星画像に代わる上空画像として、より撮影時の機動性が高いヘリコプターや航空機から撮影された画像を活用し、次年度に実験を行うことを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標である大規模災害時に撮影された上空画像(衛星画像)を用いた実験を実施し、システムの社会応用の検討も行った。検討の結果、実利用が難しい衛星画像ではなく、ヘリコプター等から撮影された上空画像を活用した実験を今後行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
撮影時の機動性が高いヘリコプター等から撮影された画像を上空画像として活用し、各道路区間の通行可否を判断する実験を行う。また、実験結果を踏まえて、実社会で有効でかつ使いやすいシステムの具体的な要求仕様を検討する。
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Causes of Carryover |
構築したシステムの社会応用を検討した結果、上空画像として、衛星画像よりもヘリコプター等から撮影された画像の方がより実利用しやすいことが判明した。しかし、他の業務で多忙であったため、追加実験ができなかった。そのため、今年度は実験等に関わる予算は不要となり、次年度のヘリコプター画像を用いた実験成果の公表に予算を使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たな実験を行いその結果を学会等で公表するため、主に、学会誌投稿料や旅費等に活用する計画である。
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