2015 Fiscal Year Research-status Report
犯罪状況を自動検知する高性能次世代型知的防犯カメラシステムの開発
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26350454
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
長山 格 琉球大学, 工学部, 准教授 (80274885)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 防犯カメラ / 社会安全 / 人工知能 / ひったくり / 機械学習 / 画像処理 / 犯罪行動モデル / 社会システム |
Outline of Annual Research Achievements |
2008年に1億2,808万人であった日本の総人口は,2060年には8,674万人に縮小するとともに高齢者人口(65歳以上)はその約40%(およそ3,470 万人)に増大すると予測されている.急激な高齢化に伴う人口構成の変化は将来の日本における経済活動や社会インフラの維持管理に多大な損失をもたらすため,高齢化と人口減に備えた防犯対策や安全社会の構築など様々な対策が必要である.一方,警察庁犯罪情勢報告によると平成24年度における全国のひったくり認知件数は10,038件であることが示されている(警察庁,2014).ひったくりは頻繁に発生する犯罪行為であり,高齢者や女性等の社会的弱者が狙われやすいという特徴がある. 本研究は,路上におけるひったくり等の発生を自動検知する知的防犯カメラシステムの開発を目指している.しかし,ひったくり等の発生状況は多種多様であるため,犯罪発生を正しく自動認識する事は簡単ではない.この犯罪発生状況の多様性に対処するため,挙動や状況の様相を認識することができるインテリジェントシステムを構築する. これにより社会安全の向上と治安の維持に貢献するため,ひったくりや事件の発生を正確に自動検知するとともに自動通報と証拠記録を実行可能な高性能次世代型知的防犯カメラシステムを開発する. 平成27年度は,前年度までに定義したひったくり等の犯罪行為の特徴パターンをベースとして,その行為の自動認識・自動検知を効果的に行うため,人工知能システムを活用した犯罪自動検知システムについて検討した.その結果,いくつかの機械学習アルゴリズムを適切に応用することによって検知対象とするひったくり犯罪を高精度に状況判断するとともに自動検知出来ることを示した.また,特に今年度はひったくり犯行手段の多様性に対応するため,徒歩や自転車のような犯行事例調査に基づくバリエーション対応を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
犯罪が発生する状況は多種多様であるため,夜間・雨天・雑踏・犯行手段の多様性なども含む多様な状況における映像データを収集する必要がある.本年度は,すでに昼間における基本的な映像データを収集して分析を進めており基盤となる基本特徴パターンの把握に成功している.しかし,ノイズ混入や想定外の異常行動などの例外処理に関する分析と対応方法の検討が必要である.今後,夜間・雨天・遠距離・雑踏等の状況に対しては赤外線撮影や望遠撮影・レーダー等の採用により対処できる可能性があると考えている.また,高精度な犯罪検知を実行できる検知アルゴリズムおよび自動犯罪検知に最適な人工知能システムの開発について現在検討を行っているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度,27年度に収集した映像データに加えて,夜間・雨天・遠距離・雑踏等の条件を追加したデータを収集する.すでに,これまでの研究により,ひったくり犯罪の基本行動数式モデルの構築を実現しているので,これらの数式モデルの高度化および派生型モデルを検討することが考えられる. また,挙動特徴の分析と自動検知アルゴリズムの性能を向上させるとともに,人工知能を活用した,より高性能な自動犯罪検知システムの開発および評価を進めていく. 特に,例外的な状況・挙動に対する情報処理システムの効果的なシステム設計および実装を検討していく.そのため,新しい人工知能システムの活用およびルールベースの構築などにより対処法を適切に決定する.
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Causes of Carryover |
当該金額(約10万円)は研究成果に関する投稿論文の投稿料・掲載料として充当予定であった。しかし、投稿予定の論文誌における募集〆切延期により論文編集等の作業が当初予定より数ヶ月遅くなったため年度中の執行が不可能になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新年度以降に掲載される研究成果に関する論文の投稿料・掲載料として充当する計画である。
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Research Products
(3 results)