2015 Fiscal Year Research-status Report
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26350455
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
御室 哲志 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (90507112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 宏之 日本大学, 工学部, 准教授 (30398333)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒヤリハット / ドライブレコーダ / シナリオ / 自動判別 / 実車走行試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
第2年度は、以下の(A)(B)(C)の3項目を実施した。(A)ヒヤリハットデータの自動判別機能充実と、それらの判別性能の検証。(B)シナリオ別ヒヤリハットデータのTTC(Time To Collision)推移等を追加した解析。(C)実車走行試験によるシナリオ典型データの取得(追加センサ)。各々の研究実績の概要について以下にまとめる。 (A)自動シナリオ判別ソフトの機能追加の一環として、シナリオ判別のためのツリー構造状のタグ群を整理した。そこに含まれる自車行動に関する「バック」「右折」「左折」「直進」タグについて、主にGPSの針路角データの変化から自動判別するソフトを開発した。約20台のタクシーのドライブレコーダで取得された一ヶ月分の非ヒヤリハットを含むトリガデータ1944件に適用したところ、4つのタグともに93%以上の正答率を得た。また、前年度、時間領域で「悪路」判定を行ったが、判別率を更に向上するため、周波数領域で行うことを検討した。ばね上・上下加速度のパワスペクトルは走行車速にも依存するが、3Hz以上のレベルに限定すれば、適切な閾値による単純な悪路判定が可能という仮説を立て、検証中である。また、この周波数領域の処理を例に、大量データを処理するためのプロトタイプソフトを開発した。 (B)対車両ヒヤリハットについて、画像データから読み取られる相対位置推移を用いて、「追突」「出会い頭」等を判別する手法を検討中である。対歩行者ヒヤリハットにおけるTTC、TTV(Time To Vehicle)推移の更なる利用方法についても検討中である。 (C)連続記録ドライブレコーダ、レーザセンサ、心拍センサ搭載の試験車で構内試験を行い、見通しの悪いカーブ途中の停車車両を回避する試験を行い、解析に供し得るデータであることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画において、第2年度は(A)自動シナリオ判別ソフトの機能追加、(B)シナリオ別ヒヤリハットデータのTTC推移等を追加した解析、(C)実車走行試験によるシナリオ典型データの取得(追加センサ)の3項目を主に実施することとしていたが、以下のように(A)(C)はおおむね計画通りの進捗である。(A)については一部、平成28年度予定の評価も実施した。反面、(B)は27年度で完了予定であったが、十分なまとめに至っていない。 (A)自動シナリオ判別ソフトの機能追加:シナリオ判別ソフトの機能追加を考えるに際して、シナリオを構成する因子をタグという形で整理すると便利であると考え、「自車行動」「道路環境」「路面状態」「時間帯」「他者行動」「ドライバ」に関するタグをツリー状に整理した。これらの内、既存ドライブレコーダデータからタグ抽出が容易な「自車行動」に関するタグに取り組むことで、早期にソフトを完成し、評価まで先行実施することが出来た。また悪路判別においては、当初予定になかった周波数領域の処理に踏み込み、一定の見通しを得たが、結論を得るには引き続き検討が必要である。(A)項目を通じて、計画通りの達成度である。 (B)シナリオ別ヒヤリハットデータのTTC推移等を追加した解析:当初計画において、TTC等の追加による有効性を具体的に明らかにすることを目標にしていた。追突等対車両については、相対位置推移によって類型を判別できる見通しを得たが、結論を得るには継続検討が必要である。対歩行者ヒヤリハットについては、TTC,TTV以外の環境的な要因も含めて継続検討が必要である。 (C)実車走行試験によるシナリオ典型データの取得(追加センサ):追加センサ搭載の試験車で構内試験を行い、準備段階としてほぼ計画通りの達成度である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目までの実施内容において、ほぼ予定通りの進捗であるので、3年目も基本的に当初計画に沿って、次の(A)(C)2項目を中心に進める予定である。(B)項目については、今年度検討途中となっている部分を継続して、まとまった結論を得る。 (A)自動シナリオ判別ソフトの評価版作成:一部のタグについては、2年目で判定評価まで実施している。これを拡張して、複数のタグ組合せによるシナリオ判別ソフトの開発と検証を進める。このソフトを用いたシナリオ判別の試行を行い、データ目視による正解データとの比較を進めていく。 (B)シナリオ別ヒヤリハットデータのTTC推移等を追加した解析:対車両ヒヤリハットについて、相対位置推移を用いて判別可能な範囲をまとめる。対歩行者ヒヤリハットにおけるTTC、TTV推移の他、画像のエリア毎の輝度情報の活用について検討する。 (C)実車走行試験によるシナリオ典型データの取得(追加センサ):今年度に引き続き、ドライブレコーダ、レーザセンサ、ウェアラブル心拍センサを同時適用した構内試験データをN増し取得するとともに、将来的なその利用法を考察する。
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Research Products
(4 results)